ブラジル日本移民110周年記念祭典実行委員会(菊地義治委員長)は、『「感謝と希望」ブラジル日本移民110周年記念祭典事業報告書』を4月30日に発行した。編集を担当したのは大井セリアさん。
報告書には眞子内親王殿下のご来伯や、2千人の出演者が舞踏や太鼓を披露した豪華芸能ショーの様子が、多くの写真(ニッケイ新聞提供)と共に記録されている。
菊地実行委員長は豪華芸能ショーを振り返り、総合プロデュースの上原テリオ氏と総合演出の斎藤悟氏が、普段はライバル意識をもつ芸能団体に協力を持ちかけてまとめ上げた功績を高く評価した。「日本から来た要人やジャーナリストも『日本でも見られない』と驚いていた」と思い出す。
また同実行委員長が特に注目してほしいと話すのは反省会の記事「ブラジル日本移民110周年記念祭典事業を振り返って」だ。準備開始の遅さに関する指摘や、資金調達の難しさ、各祭典の課題などについて語られている。同実行委員長と大井セリアさんは「次の120周年の際にはこの反省点を参考に、より良いものを作ってほしい」との期待を語った。
報告書の発行部数は千部。ブラジル日本文化福祉協会ビルにて販売が行われている。関係者には1冊のみ無料、2冊以上は購入。また関係者以外には1冊20レアルで販売している。
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『「感謝と希望」ブラジル日本移民110周年記念祭典事業報告書』の発行を終え、一連の110周年関連事業に区切りをつけた菊地委員長。次の周年事業について「優秀な人は多くおり、団結すれば大きな力になる」と期待を寄せた。一方で今回の110周年では、実行委員長の選出に難航したのも事実。呉屋春美110周年祭典協会会長(当時)も反省会で、「実行委員長を引き受け、積極的に活動してくれる人を探すのは非常に難しかった」と述べている。最終的に菊地氏が就任し、1年半という短期間で一連の祭典事業を成功裏に収めたが、反省会では「菊地氏個人に頼り過ぎていた」という声も挙がっていた。今後の周年事業でも、「誰がリーダーを担うのか」が第一の焦点となりそうだ。