ニコラス・マドゥーロ大統領を支持する体制派の兵士が14日、「国民議会(国会)に爆発物が仕掛けられたとの情報がある」と偽り、国会内に侵入。1月に暫定大統領を宣言したフアン・グアイド国民議会議長らの執務室に入り込み、家捜しをした上、議員らを脅すといった暴挙に出た。
国会に乗り込んだのは、同国情報機関のSebinや、ボリヴァリアナ国家警備隊、ボリヴァリアナ国家警察に所属する兵士達だ。
国会侵入は14日朝8時半頃に起き、反対派の新聞「エル・ナシオナル」やEFE、国会の公式ツイッターなどがその様子を報じるビデオを流した。
同様の理由での国会侵入は1月5日にも起きたが、その時は、爆発物は何も見つからなかった。国会議員や職員らは、何が起きているのか確かめようとしたが、兵士らは議員や職員が建物に入るのを阻止したという。
兵士達は、グアイド氏や、Sebinが8日に強制連行したエヂガル・ザンブラノ国会副議長の執務室もひっくり返し、彼らを告発する材料などを探そうとしたようだ。
グアイド氏は事件後、マドゥーロ氏の名前を挙げる事は避けつつ、「なんという卑劣な行為だ。彼は国民が選んだ国会議員だけでなく、議会の職員をも脅し、危険にさらした」と批判した。
国会の公式ツイッターは「独裁者は何を恐れているのか?」と問いかけるメッセージを流したが、グアイド氏も、「彼は、権力は建物や引き出し、山のような鍵の中にあると信じているようだ。権力というものは、民の信頼や支持を失えば為政者の手を離れる。国会は国民によって選ばれており、あくまでもその合憲性を擁護する」と主張した。
国民議会はこの日、反体制派の議員に対する体制派からの迫害について論議する予定だった。この日は、同国最高裁が4月30日に反体制派議員10人を告発し、7人の不逮捕特権を剥奪した後の最初の議事だった。
体制派の兵士らが国会に侵入し、一時的に占拠したため、議事は別の場所で行われたが、その場所は明らかにされていない。同日の議事には、不逮捕特権を剥奪され、いつ逮捕されるかわからない状態の議員2人も参加したという。
この日は体制派の制憲議会も議事を行ったはずだが、その内容は明らかにされていない。(14日付G1サイト、アジェンシア・ブラジルより)
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