ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》リオ地裁が口座情報開示を承認=フラヴィオ上議や89人の元職員ら=不相応な動き、疑惑の不動産取引

《ブラジル》リオ地裁が口座情報開示を承認=フラヴィオ上議や89人の元職員ら=不相応な動き、疑惑の不動産取引

フラヴィオ氏(Tonia Rego/Agencia Brasil)

フラヴィオ氏(Tonia Rego/Agencia Brasil)

 ボルソナロ大統領長男のフラヴィオ上議(社会自由党・PSL)と、同上議がリオ州議時代の職員で、金融活動管理審議会(COAF)の指摘で昨年1月から検察の捜査対象となっていたファブリシオ・ケイロス氏、並びに2人の関係者らの銀行口座や金融取引の情報開示を、リオ地裁が4月に了承していたことがわかった。開示対象は過去12年間分の情報で、他の88人の元職員にも影響を及ぼしうるという。14日付現地紙が報じている。

 この件は、13日に「オ・グローボ」紙が独占的に報じたものだ。リオ州検察局からの情報開示請求は、COAFが提出した、ケイロス氏の口座で合計120万レアルにも及ぶ不審な金の動きがあったことを指摘する報告書との関連捜査の過程で出されたものだ。
 ケイロス氏の口座は、フラヴィオ氏の雇った幽霊職員からと見られる多額の振込みや引き落としが、それも現金で行われていて疑問視されていた。情報開示請求は、COAFの報告書が提出されてから約500日間も経って、やっと承認されたことになる。
 検察局からの請求は、リオ地裁第27刑事法廷のフラヴィオ・イタバイアーナ・デ・オリヴェイラ・ニコラウ判事が、4月24日付で了承した。
 口座情報を開示する期間は、ケイロス氏がフラヴィオ氏の職員を務めていた2007年1月から2018年12月までの12年間だ。
 リオ地裁は、フラヴィオ氏の妻のフェルナンダ氏と、二人が経営している「ボウソチーニ・チョコレート&カフェ」社の情報開示も許可した。
 また、ケイロス氏の娘でフラヴィオ氏の職員でもあったエヴェリン氏とナタリア氏、ケイロス氏の妻でやはり元職員のマルシア氏はもちろん、捜査対象期間にフラヴィオ氏の職員を務めた88人の口座情報なども開示の対象となる。その中には、リオのミリシア(民兵組織)のリーダーとされる元軍警のアドリアーノ・デ・ノブレガ氏の母親や姉妹も含まれる。
 ノブレガ氏はフラヴィオ氏の秘書室リーダーの1人だが、昨年3月のマリエーレ・フランコ・リオ市議殺人事件に関与した人物として、逮捕もされている。
 さらに、フラヴィオ氏からコパカバーナの物件2軒を買った米国人3人に関する捜査も了承されている。フラヴィオ氏はこれらの物件を購入からわずか1年半で手放し、81万3千レアルを受け取っている。
 また、MCAパルチシパソンエスという企業も捜査対象となっている。フラヴィオ氏は購入してわずか45日の商用ビルの一画を同社に売り、買い値の200%以上の利益を得ていたという。
 フラヴィオ氏はこの件が報道されるのに先立つ先週、「自分の口座などの情報は不当な形で開示された。検察は自分を利用して連邦政府を攻撃しようとしている」と批難する声明を出しており、13日も同様の批判を繰り返した。