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ベネズエラが国境を再開=コロンビアとの間はまだ

ボリヴァル州サンタエレナ・デ・ウアイレン側から見たロライマ州パカライマ(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

ボリヴァル州サンタエレナ・デ・ウアイレン側から見たロライマ州パカライマ(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 ベネズエラ副大統領のテレック・エル・アイサミ氏が10日、ベネズエラとブラジルの間の国境を再開する旨を発表したと10、11日付ブラジル国内紙、サイトが報じた。
 ニコラス・マドゥーロ政権による国境封鎖は、2月21日に始まった。この日は、1月25日に暫定大統領就任を宣言した反体制派の代表のフアン・グアイド国民議会議長が、国際社会に要請していた人道支援物資が届くと約束していた2月23日の直前で、国境に準備された支援物資は、そのまま山積みとなった。
 ブラジルとベネズエラの間の国境閉鎖は、ブラジルからの支援物資搬入と共に、ロライマ州への電力や石灰岩などの供給、ロライマ州からの食料や医薬品などの供給も止めた。
 国境付近で足止めされたトラックやその運転手、ベネズエラ国内にいた観光客などは様々な手段で国境越えを試みた。また、ベネズエラ側に住み、ロライマ州の学校に通う子供達も、違法なルートで通学していたという。
 ブラジル外務省は国境閉鎖直後に、人道支援物資を運び込むために国境閉鎖を解くよう求めたが、この要請は拒否された。
 だが、ロライマ州知事のアントニオ・デナリウム氏が、ボリヴァル州知事のフスト・ノゲイラ・ピエトゥリ氏と会談した2月27日以降、両国の間で国境を回復するための動きは続いていた。
 国境再開への動きが具体化したのは4月15日で、マドゥーロ氏や同国外相のホルヘ・アレーザ氏と会談したテウマリオ・モッタ上議(ロライマ州選出、社会秩序共和党・PROS)が、マドゥーロ氏が国境再開を宣言する可能性に言及した。
 4月18日付UOLサイトは、マドゥーロ氏が「ブラジルとの国交回復と国境の再開を願っている」と発言し、ブラジル上院のダヴィ・アウコルンブレ議長に、議会が両国の関係回復のための仲介役にたつよう要請する文書を送った事を伝えた。
 また、4月23日付ブラジル・デ・ファト紙サイトは、ロライマ州とボリヴァル州の知事が22日に再度会談した事やマドゥーロ氏の文書が議会で朗読された事、ベネズエラでは22日に国境再開に向けた交渉団が作られた事などを伝えた。
 ロライマ州とボリヴァル州の間では国境閉鎖中も、兵士に賄賂を払ったりして国境を越える人が見受けられるなど、ブラジルへの難民流入は続いていた。ベネズエラを巡る情勢がより不安定になれば、難民がさらに増える可能性がある。