ブラジル国内ニュースビジネスニュース

《ブラジル》ゲデス経済相「景気は井戸の底」=第1四半期は経済縮小か

 ブラジル中央銀行が15日に発表した経済活動指数(IBC―Br)によると、第1四半期の国内総生産(GDP)は昨年第4四半期より0・68%縮小したと同日付現地紙サイトが報じた。
 IBC―Brは、地理統計院(IBGE)が出す正式なGDPの先行予測だ。IBGEによる指数は30日に発表されるが、IBC―Br通りなら、第1四半期は、2016年第4四半期のマイナス0・6%以降、初めての前期比マイナス(季節調整済み)となる。
 16年第4四半期は2014年に始まった景気後退期(リセッション)の最後で、2017年第1四半期以降は、前期比で0~1・5%の成長が続いていた。
 ただし、2018年第1四半期と比べると0・23%の成長(季節調整なし)で、直近12カ月の数字(季節調整なし)も、1・05%の成長となっている。
 IBC―Brは、農牧業と工業、サービス業、税収の4項目で試算されるため、全ての項目を含むGDPとは異なった数値が出てくる事がある。
 だが、第1四半期の経済活動が低下している事は、今年に入ってからの工業生産が2・2%減、サービス業も1・7%減となった事などからも予想されていた。
 また、14日に発表された中銀の通貨政策委員会(Copom)議事録では、「ゆっくりとだが進んでいた景気回復が中断された」との言い方で、経済活動が後退しているとの見解を表現。14日に開かれた、来年度予算案を審議するための両院合同の特別委員会では、パウロ・ゲデス経済相が、「ブラジルの景気は井戸の底の状態」と発言。経済政策班は今年のGDP成長率予想を1・5%に下方修正する意向である事も明らかにした。
 ゲデス経済相は、成長予想を下方修正すれば、当然の事ながら、今年の予算削減(支出カット)額を引き上げる必要が生じる事も明言しつつ、景気回復は、社会保障制度改革案を含む財政改革案を議会が承認するか否かにかかっているとの見解を表明した。
 Copomは8日に、経済基本金利(Selic)を年6・5%に据え置く事を決めたが、経済の専門家らは、経済活動を活性化するため、Selicを最大1%ポイント引き下げる可能性も口にし始めている。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button