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《ブラジル》中銀総裁=経済への肯定的な見通し崩さず=中銀の独立の重要性も訴える

ロベルト・カンポス・ネット総裁(Fabio Rodriguez Pozzebom/Ag. Brasil)

ロベルト・カンポス・ネット総裁(Fabio Rodriguez Pozzebom/Ag. Brasil)

 2016年末で統計上の不況からは脱したが、その後一向に景気は回復せず、ついに今年の第1四半期は2年ぶりのGDPマイナス成長の可能性も取り沙汰される中、ブラジル中銀のロベルト・カンポス・ネット総裁は6日に連邦議会で開かれた公聴会で、ブラジル経済についての肯定的な見方を崩さなかった。
 同総裁は、「企業家信頼感指数は伸びており、投資が徐々に回復している。また、史上最低の経済基本金利が経済を後押しし、クレジット市場も活性化して来ている。それらがブラジル経済を回復させる要因になるはず」と語った。
 今年第1四半期の国内総生産(GDP)成長率は5月30日に発表される予定だ。GDPとは算出方法が若干違うが、GDPの動向の先読みとなる経済活動指数(IBC―Br)をブラジル中銀は15日に発表。それによると、今年第1四半期はマイナス0・68%だった。
 5月7、8日に行われた中銀の通貨政策委員会(Copom)の議事録からは、中銀側が、第1四半期のGDP成長率がマイナスになる可能性があることを認識していることが読み取れる。議事録には「経済の段階的な回復プロセスは、最近、一時的に中断されたが、今後はまた回復軌道に戻るだろう」と書かれており、ネット総裁もその見解を再確認した。同総裁が今後の回復を裏付ける要因として挙げたのが、前述の企業家信頼感指数などだ。
 同総裁はまた、「現在議会で審議中の法案の中にある、中銀の独立性確保は、ブラジル経済の不確実性を低下させうると我々は考えている。中銀の独立性強化は、ブラジルがまさに必要としている、経済発展を果たすために欠かせない条件の一つだ」と語り、経済基本金利(Selic)を決めたりする際の中銀の独立性が、通貨政策などへの信頼感を高めていると強調。現在議会で審議中の、中銀の独立性を保障する法改正を支持する姿勢を見せた。(6日付アジェンシア・ブラジルなどより)