「母の日」だった12日(日)午前10時、東洋街の銀行で高齢者を狙ったカード盗難事件が発生した。被害者の戦後移民女性が来社して事件の詳細を語り、注意を呼びかけた。
被害者によれば、事件はサンパウロ市リベルダーデ区ガルボン・ブエノ通りのサンタンデール銀行で発生。休日なので現金自動預け払い機(ATM)はガラガラだった。奥から二番目の機械で現金を引き出そうとしたところ、カードが出てこなくなった。
右隣の機械を利用していた親切そうなブラジル人中年男性が、「ジェレンチ(銀行支店長)が下にいるので、あそこのガラスを叩きなさい」と店内と引出し機コーナーを仕切るガラスの壁を指差した。それを信用して、指示通りにガンガンと叩いた。
10分近くそうしていたが、ふと振り返ると、その男性はおらずカードが抜き取られていた。犯人と見られる男性は40~50代の褐色の肌で、身なりは短髪の黒髪、中太りで中背、ワイシャツに黒いズボンを着用していた。
娘に頼んですぐにカードを無効にしたが、すでに約1千レアル使われていた。「高齢者を狙っていたと思う。母の日なのに、娘からひどく叱られた。人がいない休みの日に機械を利用してはダメだと、娘から何度も注意されていた」と悔しさをにじませ、「私の苦い経験を参考にして、同様の犯罪に引っかからないように注意してほしい」と訴えている。
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高齢者を狙ったカード盗難事件が発生し、「どこでパスワードが盗まれたのか」と尋ねると、「機械に入力していた所を見られたのでは…」と回答があったので、手口を詳しく調べてみた。やはりこのような被害は増加しており、巧妙な暗証番号の読み取り部品やカード吸収部品を機械に取り付けて、カードや情報を盗む犯罪が多いようだ。銀行だけではなく、スーパーやガソリンスタンド、バスターミナルなどに設置されている機械はさらに危険。また、銀行員や警察のフリをして近づいてくる場合も多い。こうした困ったときに親切そうに話しかけてくる人は信用しない方が無難。基本的に休日の機械は利用せず、時間がかかっても、できるだけ窓口を利用した方が良いかも。