ボルソナロ大統領は20日、17日に続いて再び、イベントでの政治家批判を行った。大統領支持者たちは26日にデモを行おうと呼びかけているが、その内容をめぐって、足並みが揃うかが注目されている。21日付現地紙が報じている。
ボルソナロ大統領は20日、リオ州知事のウイルソン・ヴィッツェル氏や、リオ市長のマルセロ・クリヴェラ氏らとともにリオ州工業連盟(Firjan)のイベントに参加したが、その席で、「ブラジルは素晴らしい国だが、問題は政治家連中だ。我々はこの国を正しい方向に導こうとしているのに、必要な方策を採れないのは政治家からの抵抗にあっているからだ」「私たちでそれを変えて行かなければならない」と語った。
同大統領は17日にも「私は精一杯頑張っているが、古い利権を持つ政治家たちが邪魔をする」と、連邦議会批判を思わせる発言をしたことで、政界のみならず、財界にも悪印象を持たれたばかりなのに、それを繰り返したことになる。
だが、この日の夕方にブラジリアに戻り、取材陣への話が社会保障制度改革に及ぶと、大統領は議会を「チーム」と呼び、「一丸となって承認されるよう努力している」と発言。午前中は政治家の片棒を担いでいるかのごとく表現していたメディアに関しても、「民主主義の灯を消さないために大切だ」などとの発言も行った。
ボルソナロ氏の「私の邪魔をする古い政治家がいる」との主張には、三男のエドゥアルド下議、所属の社会自由党(PSL)のマジョール・オリンピオ上議、カルラ・ザンベッリ下議などが賛同の意を表明。ネットを中心にして、26日に行われる予定の親ボルソナロ派による抗議行動への参加を呼びかけている。
だが、この抗議行動をめぐっても、意思統一は今ひとつ不明瞭で、ジウマ元大統領の罷免を求める抗議行動の中心となった団体「ブラジル自由運動(MBL)」は、26日の抗議行動を「奇妙なもの」との声明を出している。同団体代表のレナン・サントス氏は、「社会保障制度改革や暫定令870号のためのものなのか? 物事がうまく行かないことを議会やセントロンのせいにしようとする行動にすぎないように見えるが」と、参加には消極的だ。罷免活動で中心になったもうひとつの団体「ヴェン・プラ・ルア」は、参加を見合わせている。
また、ザンベッリ下議の団体「ナ・ルア」や軍人の団体「クルーべ・ミリタール」、ほかに福音派やトラック運転手の団体も参加を表明しているが、いずれも「国の改革のためのもの」に焦点を絞り、過激な言動を控えたいという。
ただ、ボルソナロ氏の支持者の中には「連邦議会や最高裁の封鎖」「セントロン解体」など過激な主張を行う人たちもおり、統制が取れるかの不安が残っている。