【既報関連】国家鉱業庁(ANM)は20日、ミナス州バロン・デ・コカイス市にある、Vale社保有のゴンゴ・ソコ鉱山の北側斜面が、25日までに崩壊するだろうと述べた。20、21日付現地各紙・サイトが報じている。
崩壊の危険性があるのは、同鉱山の採掘作業に伴ってできた北側の斜面で、鉱滓ダムのスル・スペリオルではない。ダムは採掘現場から約1・5キロ離れている。ANMは、「斜面の崩壊が起こす振動が、ダムの安全性に危険をおよぼす懸念がある」としている。
17日にゴンゴ・ソコ鉱山の操業停止を命じたANMによると、採掘作業に伴ってできた北側の側面は、2012年より1年に10センチずつのペースで動いていた。
しかし、ANMが20日付で出した書面には、「今年の4月末からは斜面の移動速度が1日5センチになった。このまま加速し続ければ、鉱山の北側斜面は19日から25日の間に崩れる」とある。これはミナス州防災局の見方を踏襲したもので、ANMが把握している最新データでは、19日以降の斜面のずれは1日7~10センチに達しているという。
AMNの通達をうけたVale社は、ダムの状態をリアルタイムでビデオ監視することと、斜面崩壊によって生じる振動がスル・スペリオルダムの崩壊に繋がる規模であるかの調査を早急に行い、発表することを決定した。
ゴンゴ・ソコ鉱山の採掘現場には大量の水が溜まっており、北の斜面が崩壊して採掘現場になだれ込んだ場合、斜面崩壊による振動でスル・スペリオルダムが決壊して鉱滓が流出する可能性と共に、崩壊した斜面が採掘現場の水を溢れさせ、周辺の川に流れ込む危険性も指摘されている。
「斜面崩壊は起こる。これはほぼ間違い無いと認識している」と語るVale社オペレーション・ディレクターのマルセロ・バロス氏は、現場を上空視察しつつ、同社は最悪の事態を想定して動いていると語った。他方、ミナス州環境局長のジェルマーノ・ヴィエイラ氏は20日、「斜面の崩壊が、ダムの決壊に繋がる可能性は10~15%」と語った。
ブルマジーニョ捜査でVale幹部に黙秘権
1月25日に発生し、241人の死者と29人の行方不明者を出したミナス州ブルマジーニョでの鉱滓ダム決壊事故の原因究明捜査対象者として、21日の連邦上院議会調査委員会(CPI)に召喚されていたVale社幹部のジョアキン・デ・トレド氏に対し、ジウマール・メンデス最高裁判事は20日の夜、黙秘権を認めた。
上院のCPIは3月13日に設置され、既に何人もの関係者たちから事情を聴いていた。CPI報告官のカルロス・ヴィアナ上議は、報告書は7月2日までに完成するとしている。