連邦政府は22日、7日に出た銃規制緩和に関する大統領令第9785号の内容を変更する新しい大統領令(9797号)を出したと、22日付現地紙・サイトが報じた。
これらの大統領令は銃器の取得、登録、所有、携行および売買に関するものだ。大統領府は声明の中で、「7日の大統領令(以下、旧大統領令)発令後、司法、立法および一般社会から起きた疑問に応え、ボルソナロ大統領本人が一部変更を決めた」と発表した。
実は、政府は21日の時点から既に、7日に出した大統領令の見直しを行う可能性を認めていた。同日には、13の州と連邦直轄区の知事、合わせて14人が再考を求める公開書簡を発表。国際機関アムネスティ・インターナショナルからも、旧大統領令の破棄が要請されていた。
左派政党の持続ネットワークは8日に、「大統領の権力の濫用」として旧大統領令破棄を最高裁に求めた。これを受け、ローザ・ウェベル最高裁判事は10日、「大統領令について5日以内に説明するように」と命じた(ただし、正式な通達が遅れたため、説明期限は22日)。
銃規制に関する新大統領令9797号は、22日付官報に掲載された。
新大統領令では7日付の旧大統領令が認めていた、ライフル銃や半自動小銃などの長身の銃を一般市民が所有することを禁止した。だが、トラック運転手や弁護士、任期中の議員、軍や警察の活動を報道する記者などへの銃の携行許可はそのままとなった。
さらに、旧大統領令では法務省としていた、銃携行者の航空機利用に関する規制を制定する機関も、これまで同様、民間航空監督庁(ANAC)の管轄に戻された。
新大統領令は、農村地帯の住民がライフルを持つことも認めた。「農村地帯の住民」とは、農村地帯に不動産を所有し、農業や畜産業、林業などに従事している人だ。
旧大統領令では、スポーツ射撃を行う年齢についての規定はなく、両親または保護者の内、1人が許可すれば、子供でもスポーツ射撃を行うことができたが、新大統領令では、「スポーツ射撃を行えるのは14歳からで、両親または保護者2人の許可が必要」に改められた。旧大統領令が出る前は、未成年者のスポーツ射撃参加には裁判所の許可が必要だったが、それはなくなった。
新大統領令では、ブラジルが参加する国際協定や条約が禁止している、焼夷弾、化学薬品の込められた弾の使用を禁ずることも明確にした。ただし、購入できる弾の数に関しては、旧大統領令で拡大された上限が外され、実質的に無制限となった。
22日には、旧大統領令の内容変更とはいえない変更も発表された。大統領府は「これらの変更は、条文のナンバー付の重複や句読点の誤りの修正など、形式的なものに過ぎない」としている。