【既報関連】ミナス州中央部にあるゴンゴ・ソコ鉱山の採掘現場の斜面崩壊やそれに伴うスル・スペリオルダムの決壊が起きる可能性が日増しに高まる中、ダムが決壊すれば鉱滓が最初に襲うバロン・デ・コカイス市では、心や体を病む人が増えていると22日付現地紙が報じた。
スル・スペリオルダムは、Vale社所有のダムの内、決壊の危険度が最高の3に引き上げられたダムの一つだ。
同市では、危険度が2に引き上げられた2月8日未明に、最初の警鐘が鳴らされた。ダム決壊時に最初に鉱滓に襲われる地区に住む住民487人は、この時点でホテルや親戚の家に移された。
状況がさらに悪化したのは危険度が3に引き上げられた3月22日だ。いつ決壊が起きてもおかしくはないという状況下に置かれた事を知った住民達は、この頃から、心身ともに病み始めた。
同市の医療機関では、この頃から高血圧患者などが増加。また、精神面でのケアを必要とする人も増えているという。
同市市長のデッシオ・ジェラウド氏によると、Vale社は医療費の支援を拒んでおり、ボルソナロ大統領に協力を要請するという。(ただし、Vale社は、2月以降、1400人の診察や投薬に対応した他、精神面でも5700人のケアを行ってきたとの文書を出している)
さらなる転機は、Vale社が当局に、採掘現場の北側斜面が19~25日に崩壊する可能性があり、崩壊に伴うダム決壊の可能性は15%程度と知らせた13日だ。州検察局の指示で、Vale社からの報告を受けた住民達の大半は、恐怖心に襲われ、何も手につかない状態に陥った。
市内にある教会の牧師のウエリントン・リカルド・デ・ソウザ氏によると、人口3万2千人の小さな市は全体が苦悶の中にあり、信者の間でも夫婦喧嘩が増加するなど、精神状態が不安定になっている人が増えているという。教会でカウンセリングを受ける人は、週3人程度が1日12人に急増している。
同市経済開発局によると、銀行や郵便局は20日から閉鎖されており、ヘリコプターの音を聞いた住民は、斜面が崩壊してダムが決壊したと思い込むなど、混乱が続いているという。
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