26日に行われる親ボルソナロ派のデモに関し、ボルソナロ大統領は23日、「連邦議会や最高裁の閉鎖などを求める過激な主張は望まない」との発言を行った。24日付現地紙が報じている。
この発言は、ボルソナロ大統領が大統領官邸で開催するジャーナリストとの朝食会でのもので、バンデイランテス局の記者によると、26日のデモの際、一部のボルソナロ信者が「連邦議会や最高裁の閉鎖」なども主張しようとしていることに対し、「そのような主張はベネズエラのような独裁国に対してなされるべきで、今回のデモにはふさわしくない」と、否定的な姿勢を取った。
今回のデモは、15日に全国規模で、「連邦大学への支出3割削減」などの教育関連予算削減反対デモが起きた後、大統領が「(議会や司法も含めた組織や団体との交渉抜きでの)国家統治は無理」という文書をワッツアップで拡散し、「私は精一杯頑張っているが、古い利権を持つ政治家たちが邪魔をする」と加筆したのを受けた支持者たちが、その返答として呼びかけたものだ。
だが、当のボルソナロ氏や、同氏の支持者に強い影響力を持つ次男カルロス氏は早々に、自身や閣僚の参加を否定する発言を行っている。また、オニキス・ロレンゾーニ官房長官も23日、「デモは国民の声であり、尊重したい」としながらも、「連邦政府に属する者としては、偏りのない威厳ある立場をとるまでだ」として、議会や最高裁閉鎖といった呼びかけは連邦政府とは無関係との立場を強調した。
ただ、その一方、ボルソナロ氏支持者側の連邦議会への反感は強まっている。それは22、23日の下院で、省庁削減に関する暫定令を審議した際、金融活動管理審議会(COAF)を、ボルソナロ大統領やセルジオ・モロ法相が強く望む法務省傘下ではなく、経済省傘下に戻すなどの諸条件付で承認したためだ。
この暫定令の下院通過は、中道政党勢力・セントロンの下議の大半がモロ法相をけん制しようとして、経済省に戻すことに賛成したことが理由のひとつとなっている。
23日の修正動議審議後、この法案は上院に回されることとなったが、ボルソナロ氏所属の社会自由党(PSL)の上議らは既に、「上院でCOAFを法務省に」と息巻いているという。
こうしたこともあり、ボルソナロ氏の支持者たちの中には「セントロン憎し」の感情が強くなっており、モロ法相が昨年まで担当判事を務め、セントロンにも汚職疑惑がかけられている人が少なくない「ラヴァ・ジャット作戦」の強化を訴える人も増えそうな様相を見せている。
なお、ボルソナロ大統領は、COAFが法務省傘下に戻されることよりも、暫定令が、最終期限の6月3日までに両院で承認されることの方を重要視している。