26日、26州と連邦直轄区の約140~160ほどの市で、ボルソナロ大統領を擁護するデモが行われた。当初の予想を上回る人出で、大半は社会保障制度改革に焦点を定めた平和的なデモとなったが、一部では、議会や最高裁の閉鎖を求めたり、ロドリゴ・マイア下院議長を攻撃したりする内容も見られた。27日付現地紙が報じている。
今回のデモは、ジウマ元大統領の罷免要求デモの原動力ともなった「ブラジル自由運動(MBL)」や「ヴェン・プラ・ルア」といった大型団体が参加を見合わせたため、人出が心配されたが、フォーリャ紙によると140市、エスタード紙では156市でデモが開催されたという。
それでも、平日の15日に開催されたにも関わらず、200以上の市で実施された、連邦大学や高等研究機関への予算を中心とした「教育関連支出削減反対デモ」と比較すると少なく、最大のデモ会場となったサンパウロ市パウリスタ大通りの空撮での動員比較でも、15日の規模には至らなかったと報じられている。
懸念されたデモ参加者のマナーは、社会保障制度改革や犯罪防止法の承認を求めるものや、金融活動管理審議会(COAF)を経済省から法務省に取り戻すことを訴えた内容が想像された以上に目立ち、パウロ・ゲデス経済相やセルジオ・モロ法相を称える大型人形やプラカードもあった。
こうした内容はデモの主導者が事前に望んでいたものでもあったが、ゲデス経済相はここ数日、メディアを通じて社会保障制度改革の必要性を強く訴えていた。
その一方で、中道政党グループのセントロンやロドリゴ・マイア下院議長を、「古い政治」「金の亡者」などと批判する内容も目立った。だが、社会保障制度改革も犯罪防止法も、セントロンやマイア議長抜きでは承認できず、デモが逆効果となることを恐れたボルソナロ大統領は、事前に自重するよう求めていた。
さらに、「議会や最高裁の閉鎖」やマイア議長の解任や死など、モラルに欠ける要求も見られた他、パラナ州ではデモ隊の一部が、パラナ州連邦大学に貼られていた「教育の保護」を訴えた張り紙を剥ぎ取るなどの行為にも出た。
今回のデモを受け、ボルソナロ大統領やモロ法相は「国民の自発的な行為」と評価し、を支持してくれたことに感謝を示した。だが、下院や最高裁に対する一部の国民の行き過ぎた行為に関しては、「本意ではない」と否定的な態度を示した。
一方、ボルソナロ大統領が、デモの間、公の場でデモを擁護する発言を行った上、自身のツイッターでも全国のデモの様子を拡散したことが、セントロンをはじめとする議員たちを不快にさせたとも報じられている。