アマゾニア州マナウス市アニージオ・ジョビン複合刑務所で26日、収容者間の喧嘩が暴動に発展し、15人が死亡したと26、27日付現地紙、サイトが報じた。
暴動が起きたのは26日午前11時頃で、ちょうど家族の訪問を受け付けていた時間帯だった。
刑務所管理局のマルコス・ヴィニシウス局長によると、今回の暴動は収容者間の喧嘩が原因で、3号棟と5号棟が現場となったが、外部の犯罪組織が関わって刑務所職員を人質に取る、当局との交渉を求めるといった動きはなかったという。
そういう意味では通常の暴動とは異なったが、訪問時間帯の暴動は初めてで、一部の訪問者が一時的に人質にとられたという報道もある。
刑務所管理局は直ちに軍警の突撃部隊と法医学研究所職員を手配。訪問者を外に出す一方、上空からヘリコプターで威嚇射撃を行い、状況を鎮めるなどの措置をとった。
訪問者の一部はヘリコプターからは5号棟に向けた発砲があったと証言しており、収容者の家族が周辺道路を封鎖し、軍警車両の通行を妨げる場面も見られた。当局は収容者への発砲は行っていないと説明している。
同州は特定の犯罪組織の存在を否定しており、同じ棟や同じ房に異なる犯罪組織の構成員が収容されていた可能性もあるが、暴動そのものは12時半頃には沈静化。脱走者や人質となった職員は出ていないという。
ロウイスマル・ボナテス州保安局長は、刑務所の外壁や街道に繋がる道路の巡邏活動の強化と、同様の事件発生防止のため、他の刑務所も含めた監視強化を約束した。
死者15人は、絞殺されたり、歯ブラシの柄を使って刺し殺されたりしたという。殺害行為の一部は家族の目前でも起きたという。
同刑務所では、2017年1月にも、同州では史上最大規模の暴動が起き、約17時間後に沈静化されたが、56人の死者が出ている。
また、2018年12月も暴動が起きかけ、刑務所職員が1人、首筋などを刺されて死亡する事件も起きた。この時は、麻薬を持ち込もうとした訪問者を差し止めた事に怒った収容者が職員を攻撃するに至ったとされている。同件では収容者7人が逮捕され、取調べを受けた。