ミナス州ブルマジーニョの鉱滓ダム決壊事故から4カ月を経たが、身元が確認出来た死者が244人に増えた一方、今も行方がわからない人が26人いると、27日に同州市警が発表した。
鉄鉱大手のVale社が所有するコレゴ・ド・フェイジョン鉱山の鉱滓ダム決壊は1月25日。以後、123日間かけた捜索で、27日までに確認出来た死者は244人に増えた。行方不明者は26人で、消防が救出した人や当初行方不明とされたが生存が確認された人は395人に上る。
現在の捜索活動は、消防士153人が18の班に分かれて行っている。彼らを横からサポートするのが、警察犬3匹と重機102台、小型の無人飛行機1機だ。
事故から4カ月経てもなお、捜査は完結しておらず、いったんは逮捕された、Vale社やダムの強度などを調査して報告書を提出していたTUV SUD社の関係者ら計13人は、全員釈放された。彼らは2度逮捕されたが、2度とも人身保護令適用が認められた。
また、国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)が課した罰金2億5千万レアルはまだ支払われておらず、捜査も継続中だ。
刑事責任を追求する捜査報告も未完結で、同件で正式に起訴され、被告となった人物は未だにゼロだ。市警によると、現在は、捜査線上の人物がどの部分でどの程度の責任を負っていたかを確定する作業中だという。
同件の捜査は、市警、連警、ミナス州検察局、連邦検察庁からなる特別捜査班が担当している、だが、各機関は独自の捜査方針に従って捜査活動を行っており、連携しての捜査ではない。
刑事責任を問う立場で活動している機関はミナス州検察局のみで、事故責任、犠牲者のデータ、ダム決壊に至った原因、人道的な領域の四つの線で捜査を進めている。
州環境局によると、同州が課した罰金9900万レアルは既に払われているが、Vale社は既に3件、ミナス州地裁からの資産差し押さえも命じられている。内2件は州検察局の要請によるもので、被害者への対応と破壊された環境回復のための資金として100億レアルが差し押さえられた。3件目はミナス州政府の要請で、被災者支援のために10億レアルが差し押さえられた。
また、労働地裁がさらに16億レアルを労働裁判で支払うべき額の補填用に差し押さえた他、死亡した従業員や行方不明になっている従業員の家族への支払いや、外注企業からの派遣職員に関する支払いを5月31日までに行う事も命じた。
ミナス州検察局はこの他にも、ブルマジーニョの環境整備、回復のために500億レアルを求める予定だ。同州地裁はまだ、同件に関する裁判日程を組んでいない。
また、鉱滓が流れ込んだために中止されたパラオペバ川からの取水に代わり、ベロ・オリゾンテ市やその周辺部への水の供給を確保するための取水口を建設する事や、Vale社が約束した1人10万レアルの見舞金の支払いなども交渉が進められている。(26、27日付G1サイトより)