ブラジル錦鯉愛好会(全日本愛鱗会ブラジル支部、アンドレ・パルンボ会長)が『第38回ブラジル錦鯉品評展示会』を5月18、19両日に、サンパウロ市リベルダーデ区の文協ビル多目的ホールで開催した。出品者16人が200匹以上の錦鯉を出展する中、尾西貞春ロニーさんが総合優勝を飾った。かつて父の尾西貞夫さんも栄冠を得ている父子鷹だ。
1978年に創立した同会では、80年に初めて品評会が開かれた。やがて日本人移民が持ち込んだ錦鯉は、北から南までブラジル全土に拡大。現在は会員数40人弱のうち現会長を含めた7割が非日系人だ。
総合優勝を果たした貞春さんは、長年にわたり愛鯉家として飼育向上に貢献し、日本文化の普及に尽力してきた。過去には同会の会長を務めた他、ブラジルに二人しかいない公認審査員の一人でもある。技術指導員として多くの愛鯉家の飼育技術向上を手伝っている。
貞春さんは技術向上のために、日本の会員の紹介で「錦鯉の里」と呼ばれる新潟県小千谷市で二度の単身研修を行い、親鯉選別から成魚するまで飼育の全工程を学んだ。
同会の伊藤誠施さんは「鯉の体型、模様、大きさなどの全てにおいて素晴らしい。よく学んでいるのが分かる」と称賛する。
貞夫さんは息子の優勝に「やっぱり嬉しい。我が子ながら良くやっている。日本の人たちと交流し、良い刺激を受けている」と喜んだ。