5月30日、5月15日同様、「連邦大学への支出3割削減」など、教育省の支出削減方針に反対するデモが行われた。1回目のデモより人は少なかったが、全国の100市近くで主張を強めて行った。5月31日付現地紙が報じている。
今回のデモは2回目ということもあり、その規模は、全国で200市を超えた前回のデモには及ばなかった。それでも、フォーリャ紙の記述では25州と連邦直轄区の少なくとも95市、G1サイトでは少なくとも136市でデモが行われた。
サンパウロ市では、午後3時にサンパウロ総合大学などで教育の役割に関する公開授業と討論会が行われた後、ラルゴ・ダ・バタタに人が参集。午後5時ころには5万人を超え、6時からはパウリスタ大通りに向かって4キロほどの行進を行った。
リオでは、リオ・ブランコ大通りの2区画を埋める人が集まった。
ミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテでは5万人が集まり、連邦大学への支出削減を擁護したロメウ・ゼマ知事も攻撃の槍玉にあがった。
ペルナンブッコ州レシフェでは、ボルソナロ大統領や同氏支持者からはしばしば批判される、同州が生んだ教育者パウロ・フレイレ氏(1921―1997年)へオマージュが捧げられた。 パラナ州クリチーバでは、パラナ連邦大学のリカルド・マルセロ・フォンセッカ学長が自ら群集の前に立ち、同校の予算は8月分までしか保証されていないと訴えた。
今回のデモでは、大学への支出削減反対の他、その削減が大学での調査にどのような影響を及ぼすかを具体的に言及したものなども見られた。
教育省の支出削減は、連邦大学へが22億レアル、基礎教育へは24億レアル、連邦教育機関へは10億レアル、大学病院関係へは2億レアル弱、学生支援ファンドへは11億レアル、ハイレベル人材養成業務統括所(Capes)へは8億レアルとなっている。
連邦政府は前回のデモのあと、74億レアル分の凍結予算の21%分にあたる16億レアルを予備費から解放すると発表したが、具体的な用途は明らかにしていない。
今回のデモを受け、アブラアン・ワイントラウブ教育相は、「授業が行われる日であるにもかかわらず、デモに参加したばかりでなく、学生にまでデモ参加を煽った教員や職員は処分を受けるべき」との声明を出した。
同教育相はさらに、リオの国立博物館再建への支出削減に関して流れていた噂を否定し、「支出は削減しない」と明言したが、「自分はフェイクニュースの雨にさらされている」と、傘を持ち出して差すなど、自身に批判的な人たちを皮肉るパフォーマンスも行った。