母県紹介をブラジル社会へ――サンパウロ市のジャパン・ハウス(マルセロ・マトア・アラウージョ館長、以下JH)の呼びかけで、4月30日から8月11日まで各県人会による企画講演会がJHにて開催されている。この企画は、同館が4月22日から7月17日まで行っている『日本の47人の職人』展に合わせ、47都道府県の特色を紹介するものだ。
すでに23の都道府県人会が手を上げ、4月30日に島根県が「環境教育セミナー」、5月17日に兵庫県が「皇室に選ばれた兵庫海苔と酒」について満員の会場で講演を行った。各県人会にとって、母県の魅力をブラジルに伝える絶好の機会と言えそうだ。
JHによれば、現在までに参加の連絡がきている県は、島根、兵庫、青森、滋賀、富山、奈良、北海道、和歌山、三重、大分、鹿児島、群馬、山口、石川、千葉、京都府、岐阜、愛知、山形、広島、長崎、岡山、沖縄の23県。約半分の県人会が参加を申し込んでいる。また、三重・和歌山県や広島・長崎県は共同で講演する予定。
ブラジル日本都道府県人会連合会の山田康夫会長は「この企画は、無料で県のことが紹介できる良い機会。県庁もJHのことは勿論知っているので、自分も滋賀県庁に資料を頼んだら喜んで送ってきた」と語り、好機と捉えている。
石川県人会の森永正行ジェラルド会長も「各県人会にとって母県をアピールできるチャンス。JHの来場者は8割以上が非日系人。県庁も石川県を知ってもらう機会だと期待している」と語る。
早速6月から始まる講演では、1日に行われる青森県の「ふじりんごとねぶた祭り」のように地域色の強い内容から、2日に行われる滋賀県の「デザインの中の文化革新」のように、県費研修生が同県で学んだ事を発表する内容もある。
山田会長は「日本祭りで忙しい県や、母県と疎遠で開催できない県人会もある。難しいが、なるべく多くの県人会に参加してもらえれば」と語っている。
なお、6月開催予定の県人会は次の通り。青森県=1日午後4時、滋賀県=2日午後2時、富山県=8日午後3時、和歌山県・三重県=14日午後7時、鹿児島県=21日、山口県=23日、石川県=25日午後4時
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今月17日にジャパン・ハウスで講演会を行なった兵庫県人会。同会と共催した兵庫県ブラジル事務所の永田展之所長は「ブラジル人にも兵庫県の日本酒は好評だった」と語る。特に同県の日本酒で、明治天皇に愛され、皇室の結婚式や即位式で用いられる宮内庁の御用酒「惣花」は、5月1日にも日本で行われた令和天皇陛下の即位式でも召し上がられたとあって、ブラジル人にも非常に興味深く飲まれていたのだとか。
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