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《ブラジル》暫定令871号、異例の月曜夜の上院採決=年金などの不正受給防止令

ダヴィ・アルコルンブレ上院議長( Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)
ダヴィ・アルコルンブレ上院議長( Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)

 連邦上院議会は3日夜、国立社会保険院(INSS)から支給される年金や恩給の不正受給防止関連暫定令(MP871号)を、賛成55票、反対12票(ダヴィ・アルコルンブレ議長は投票せず)で承認した。3、4日付現地各紙・サイトが報じている。

 これまでの監査は、病気や障がいで働けなくなった人を対象とした年金の不正受給に関してのみ行われていたが、MP871号により、全ての年金、恩給が不正監査の対象となる。政府は、これによる歳出削減を年間98億レアルと見込んでいる。
 同MPはボルソナロ新政権発足直後に出されたものの一つで、下院は先週通過したが、上院は定足数(最低出席議員数)不足だったため、承認が議会承認最終期日である6月3日までずれこんでいた。期限切れ3時間前に承認された同MPは、今後、大統領の裁可待ちとなる。
 普段なら、月曜日にブラジリア入りする議員は少なく、先週末に採決できなかった時点で、承認期限切れとなる危険性は高かった。
 社会保障労働特別局のロジェリオ・マリーニョ局長を中心とした政府経済政策班は、MP期限切れをさけるため、1日がかりで議員たちとの折衝に当たった。定足数41人を確保するため、経済政策班は社会保障改革案の内容で野党議員に譲歩をした。
 下院で承認されたMP871号の条文は、農村(または漁業、以下同)年金受給の条件として、「農村労働者たちは『~年働いている』と自己宣言し、2023年までに公的機関がそれを承認すれば、一般の年金より条件のよい農村年金の受給に必要な『農村での労働期間』として認められるが、23年を過ぎると、労働者は全国社会情報登録台帳(CNIS)に自分の職種を登録しなくてはならない」というものだった。
 議員たちは、「2023年末までに登録者が全体の半分に到達しなかったら、自己宣言を認める期間を延長する」という条文を、(MPにではなく)社会保障制度改革の憲法改正案(PEC)に付け加えることを約束させた。MPを変更して下院審議差し戻しとなり、承認期限切れとなるのを防ぐためだ。

年金受給者は証明書類の準備を

 MP成立となっても、すぐに厳格な監査、受給者の呼び出しなどが始まるわけではない。INSS側の手続きと、政府による、監査スタッフへの特別手当を盛り込んだ、今年のINSS予算の見直しが必要だからだ。
 社会保障関連の諸問題に詳しい弁護士のタチアナ・フェルナンデス氏は、「正しく受給している人も、INSSによる呼び出しを受ける前に証明書類の準備をするべき」としている。基本的な対処の一つに、登録住所が現在の住所と違っている場合の住所変更がある。「登録住所が違っていて受給停止となるケースは多い」と、同弁護士も語る。

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