在聖総領事主催の「新天皇陛下御即位祝賀レセプション」が5月30日午後、同公邸で行われ、日系団体代表ら約90人が出席した。
午後3時頃、祝賀会が開会し、日伯両国の国歌斉唱が行われ、野口泰在聖総領事による日ポ両語の挨拶があった。総領事は新天皇御即位の喜びと祝意を表した。その当時皇太子殿下だった天皇陛下の国内外のご公務に携わったことにも触れ、「天皇陛下のお優しい誠実なお人柄が強く印象に残っている」と話した。
来年の東京オリンピック開催、2025年に大阪で開催予定の国際博覧会にも言及。「日本は人口減少、超高齢社会の課題を克服しつつ、令和の時代でも引き続き世界の注目を集めることになる」と今後の日本社会に対する期待を述べた。
また「ブラジルではボルソナロ新政権が、日本では令和の時代が始まり、日伯両国で新しい時代が明けた。今後も両国の友好関係が発展することを期待し、我々も尽力する」と締めくくった。
総領事による挨拶の後には、尺八奏者シェン・響盟・リベイロ氏による演奏が披露された。同氏は日本で尺八の師範を取得した唯一のブラジル人。美智子上皇后陛下とも親交があり、皇居で演奏経験も持つ。この祝賀会でも皇居で演奏した宮城道雄作曲「春の海」を披露。雅やかな音色に出席者一同が聴き入った。
続いてブラジル日本文化福祉協会の石川レナト会長が音頭をとって乾杯し、食事を楽しみながら交流を深めた。
木多喜八郎元文協会長(75、二世)は、「日系人として天皇陛下御即位は喜ばしい。1990年に外務省の『中南米諸国日系人指導者研修』で訪日し、皇居にて当時の皇太子殿下とお会いした。その時の写真を今も家に大切に保存している」と誇らしげに話した。