ブラジルの日本語教育界への朗報である『日本語教育推進法』が、日本の衆議院を通過して参議院で審議中だ。それを受け、ブラジル日本語センター(日下野良武理事長)は「『日本語教育推進法』についての意見交換会」を今月20日(木、聖体祭休日)の午後1時~3時まで、サンパウロ市ビラ・マリアーナ区の同センター講堂(R. Manoel de Paiva, 45)で開催することになった。具体的な要望をまとめて日本に送るためだ。「皆様の意見を募りたい」と日下野理事長は呼びかけている。
日下野理事長は「日本語教育の推進に関する法律」に関して、「今国会で6月中に成立がほぼ確実に見込まれている」という。この法案は元々、今年4月から日本就労枠が大幅に拡大された外国人労働者が、日本語学習するのを支援するもの。
その法案作成中に訪日した日下野理事長が、熱心に日伯友好議連筋の国会議員に働きかけた結果、在外日本人学校や海外日系社会の日本語教育にも適用されるようになった。
例えば第十八条には「海外における外国人等に対する日本語教育」(現地における体制・整備、教材開発、教師養成、学習者支援など)、第十九条には「海外に在留する邦人の子等に対する日本語教育」(海外在住の邦人子弟への日本語教育の充実、支援など)と謳われている。
日下野理事長は「ブラジルの日本語教師、日本語学校、日本語学習生徒にも日本国政府の温かい眼差しが向けられた」と喜ぶ。
同法案は、5月22日に衆議院文部科学委員会において全会一致で可決され、28日の衆議院本会議を経て参議院文教科学委員会で審議中。ここで通過し、参議院本会議で可決されれば法案成立となる。
「6月中に法案が成立すれば、7月半ばまでには要望書を送る必要がある。そのために、ブラジルで日本語教師や日本語教育に関心がある人に意見を募りたい。もちろん、一般の方も大歓迎」と日下野理事長。
その後は同センターが中心となって意見をまとめ、ブラジル側の希望を日本に提出する予定だ。
日下野理事長は「これで先生方を勇気づけられる。皆の意見を聞いて、可能な限り要望書に反映できれば」と語っている。
申し込み、問い合わせは同センター(電話=11・5579・6513、メールアドレス=info@cblj.org.br)まで。
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ブラジル日本語センターの日下野理事長は、今後ぜひ足を伸ばさなければならない日本語教育機関の一つとして、リオグランデ・ド・スル州ペロッタス市の日本語学校を挙げた。「ここに非日系人が経営している日本語学校があると聞いた。一度見てみたい。本当であれば支援したい」と話す。その学校では、80人近くの非日系人が日本語を学んでいるのだとか。同州は日系人が少なく、州都ポルト・アレグレ市の日本祭りには9万人来場し、その内ほとんどが非日系人。日下野理事長が聞いた話の信憑性は高い?!ぜひ一度行ってみたいところ。