連邦貯蓄銀行(CAIXA)は5日、週明けの10日から不動産ローンの金利を引き下げることを発表した。また、今年第1四半期の住宅市場は購入件数も新規販売件数も昨年同期を上回っていると、3、6日付現地各紙・サイトが報じた。
CAIXAによると、150万レアル未満の不動産を買う際の住宅金融システム(SFH)`の融資の場合は、8・75%+参考金利(TR、現在は実質ゼロ)のところが、0・25%ポイント下がり、8・5%+TRになる。
150万レアル以上の不動産を買う際の不動産金融システム(SFI)融資では、9・75%+TRが、1・25% ポイント下がり、8・5%+TRになる。
SFHやSFIを使わない融資では、11・0%+TRが1・25% ポイント下がり、9・75%+TRになる。
ローンは新築物件購入、中古物件購入だけでなく、宅地購入や住宅建設、改築やリフォームの費用に利用できる。
CAIXAのペドロ・ギマランエス総裁は、CAIXAは低所得者層への融資に注力することを約束すると共に、中流階級への融資も拡大したい意思を示した。
サンパウロ州不動産売買・賃貸・管理業者組合(Secovi―SP)のチーフエコノミスト、セルソ・ペトルッシ氏は、「利下げは多くの人々に恩恵をもたらすだろう」としつつ、「SFHの利息を8・16%に下げるとか、CAIXAはもっと大胆であってもいい」と語っている。
現在のCAIXAの利息は固定金利+TRで計算されているが、今後数週間以内に、TRの代わりに広範囲消費者物価指数(IPCA)を使う融資を発表する予定だ。
CAIXAはさらに、返済が滞っている債務者への再交渉条件も発表。同行によれば、対象となる契約は58万9千件で、230万人が恩恵を受けるという。再交渉の内容には延滞罰金の免除も含まれている。
ギマランエス総裁によれば、現在は100億レアル以上の延滞が発生しているが、今年だけで5~10億レアルを回収できる可能性があるという。
サンパウロ州不動産登録業者協会(Arisp)は2日、第1四半期にサンパウロ市で登録された不動産取引の件数は、昨年同期比11・3%増の2万4957件だったと発表した。
また、18年4月から今年3月までの12カ月間の累積件数は11万2956件で、17年4月から18年3月までの15%増だった。これらの数字と連動し、ローンの支払い延滞によって差し押さえられる物件数も減少している。
ブラジル建設産業協議所(Cibc)も、今年第1四半期の住宅販売軒数は2万8700軒で、2万6100軒だった昨年同期比で9・7%増だったと発表した。Cibcはまた、今年第1四半期の住宅新規販売軒数は1万4700軒で昨年同期比4・9%増だったことも発表した。