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アンドレ・マトス死去=日本でも愛されたアングラのヴォーカリスト

 ブラジルを代表するヘヴィ・メタル・バンド、アングラのヴォーカリストだったアンドレ・マトスが8日、サンパウロ市内で亡くなったことが発表された。
 1971年にサンパウロで生まれたマトスは、10代の頃からへヴィ・メタル・バンドを組んで活動。80年代にはバンド、ヴァイパーのヴォーカリストとして活躍した。
 マトスは1991年にバンド、「アングラ」を結成。バンドへの注目が集まったのは、93年にデビュー・アルバム「エンジェルズ・クライ」を発表したときだった。
 このアルバムは、へヴィ・メタルにドラマティックなクラシック音楽の要素を加えた作品として注目され、収録曲の「嵐が丘」でマトスの歌唱力が絶賛された。
 この曲は英国女性歌手ケイト・ブッシュの代表曲として有名だが、女性でもかなりの高音域が出ないと歌えない曲を、キーをあまり落とさずに見事なハイトーン・ヴォイスで歌いきって、驚かれた。
 アングラはとりわけ日本で人気が高く、マトス在籍時の3枚のアルバムは、日本国内のチャートでいずれもトップ20位入りするという、ブラジルのバンドとしては珍しい快挙も成し遂げている。
 マトスはその後、新バンド、シャーマンを結成したが、2006年にそれが発展解消する形で、自身の名前のバンド「アンドレ・マトス」を結成し、活動を続けていた。
 アンドレ・マトスは今月2日にサンパウロ市でコンサートを行ったばかりで、7月13日にはサンパウロ州内陸部のサンタクルス・ド・リオ・パルドで次の公演を行う予定だった。
 死因については、現時点では心停止としか公表されていない。本人の生前の希望で葬儀は行われず、遺体の火葬だけが行われるという。(8日付G1サイト、R7サイトなどより)