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《ブラジル》4月の小売は0・6%減=景気停滞で購買力低下か

小売販売全体への影響が大きいハイパー&スーパーマーケット(Marcelo Camargo)

小売販売全体への影響が大きいハイパー&スーパーマーケット(Marcelo Camargo)

 地理統計院(IBGE)が12日、4月の小売販売は前月比0・6%減で、4月としては、前月比1%減だった15年以来の悪い記録だったと発表したと同日付現地紙サイトが報じた。
 今年に入ってからの各月の小売販売は、1月が0・6%増、2月が0・1%減、3月が0・1%増で、1~4月の累積は0・6%増。直近12カ月間では1・4%増で、ほぼ横ばいといえる。
 4月の小売販売の下げ幅は、0・2%減との市場の予想を上回った。同様の傾向は、0%成長の予想が0・1%減となった2月、0・3%増の予想が0・1%増に終った3月にも見られた。1月だけは、0・5%増の予想に対し、0・6%増を記録した。
 IBGEのイザベラ・ヌネス氏によると、4月の数字は、14年10月に記録した月間販売記録を7・3%下回り、(景気後退期の最中だった)15年9月並で終った。上下動がない状態が2カ月間続いた後に記録した予想以上の販売減少は、今年の小売販売が期待していたような伸びを見せる可能性をなくしている証拠と見られている。
 4月の小売販売を部門別に見ると、8部門中5部門で減少。ハイパー&スーパーマーケットの1・8%減と衣類や靴の5・5%減が目立つ。ハイパーマーケットの販売減少は3カ月連続、衣類の方は2カ月連続だ。
 車や建設も含む小売販売は横ばいで、燃料費、家具・電化製品、書籍・文具、車・バイクとその部品、建設資材の5部門が販売増を記録した。
 連邦直轄区を含む27の自治体(州)単位の小売販売では、パライバ州3・5%減、リオ州2・8%減、パラー州2・6%減など、20州で販売が減少した。
 小売販売減少は、失業率が高止まりして雇用状況が改善しないため、所得が伸び悩み、購買力も低下という、悪循環が続いている証拠でもある。
 庶民の生活に不可欠の食料品価格は、昨年5月のトラックスト後、高止まりしており、昨年4月現在の12カ月間の食料品価格上昇率がマイナス4・78%だったのに対し、今年4月の上昇率は9・10%に急騰。全体で見たインフレ率は4%台でも、生活必需品がそれ以上に値上がりすれば、その他の品物の買い控えや小売販売低下の遠因となり得る。