12日、ボルソナロ大統領がセルジオ・モロ法相をかばう姿勢をアピールする一方で、サイト「ジ・インターセプト・ブラジル」がモロ法相とラヴァ・ジャット(LJ)作戦のデウタン・ダラグノル捜査官のやり取りに関する新たな漏洩情報を流し、最高裁との関係まで疑われる方向に進行している。13日付現地紙が報じている。
ボルソナロ大統領は13日夜、ブラジリアのマネ・ガリンシャ・スタジアムで、モロ氏と共にサッカーのフラメンゴ対CSA戦を観戦。共にフラメンゴのユニフォームを身にまとうなど、良好な関係をアピールした。ボルソナロ大統領は翌13日朝、「モロ氏のやってきたことはかけがえのないこと」と、LJの英雄であることを改めて強調した。
観戦中、モロ氏に対しては、観客からは賞賛と誹謗の両方が交錯した。
だが、この観戦前後から、「ジ・インターセプト」は次なる情報暴露を行った。夕方には、ラジオ・バンデイランテス局の政治批評家レイナウド・アゼヴェド氏の番組に、同サイトのスタッフのレアンドロ・デモリ氏が出演した。
そこでは新たな情報として、2016年4月22日に、ダラグノル氏が連邦検察庁のスタッフとモロ氏宛に、「いい知らせがある」として、「最高裁のルイス・フクス判事にまた会い、支持を得た。新政権での捜査継続の重要性を彼に説いた」と書き込んだことと、モロ氏が米ドル紙幣の文言をもじって、英語で「最高だ。イン・フクス・ウィ・トラスト(我々はフクスを信じる)」と答えたことが明かされていた。これは、下院がジウマ大統領の罷免を承認してから5日目、上院に罷免に関する特別委員会が設置された日の会話だ。
さらに、ダラグノル氏は「フクス氏はテオリ・ザヴァスキ判事との駆け引きでもモロ氏が有利と言ってくれた」と、翌年1月に墜落死した元最高裁内LJ判事についても言及した。ザヴァスキ判事は、16年3月のモロ氏によるルーラ、ジウマ氏の会話録音暴露でモロ氏を批判し、3月22日にルーラ氏に関する捜査内容を最高裁に送るように命じていた。
フクス判事はこの後、大統領選直前の18年9月にフォーリャ紙によるルーラ氏への取材を差し止めた他、ボルソナロ大統領の長男フラヴィオ氏に関連する、疑惑の職員ファブリシオ・ケイロス氏への捜査差し止め命令を出している。
また、インターセプトは午後9時48分、「9日に掲載したものの未編集版」として、モロ氏とダラグノル氏による会話の詳細を掲載した。
そこではモロ氏の「最近、作戦をやっていないじゃないか」の問いに、ダラグノル氏が「米国人と調整しなくてはならないから」と答えたことなどが注目されている。