【既報関連】下院特別委員会で13日、政府提出の社会保障制度改革に関する憲法補足法案(PEC)に対する意見書が朗読されたと13、14日付現地紙、サイトが報じた。
特別委員会で朗読されたのは、報告官のサムエル・モレイラ下議(社会民主党・PSDB)が提出した意見書で、地方公務員への改革適用や農村年金の制度変更を削除するなど、複数の変更が盛り込まれた。
主な変更点をみると、市街地労働者(一般の労働者)の年金受給開始年齢は男性65歳、女性62歳、最低積立年数も、男性は20年と原案通りだが、女性の最低積立年数は現行通り、15年のままとされた。
農村年金制度(金採掘者や漁師も含む)は、男女共60歳から年金受給開始で、最低20年積立との原案が、女性は現行通り、55歳で年金受給開始、最低積立年数も15年となっている。
幼~高校の教師に関しては、30年間積立と男女共60歳から受給との原案が、女性は57歳から受給に変更された。
移行期間については、民間労働者と公務員の双方に、年金受給開始年齢まで2年以上あり、男性35年、女性30年の積立期間を満たしていない場合、不足年数分の積立継続を満額受給の条件とするとの規定が加わる。
勤労不可能な高齢者や障害者に最低賃金(最賃)額を支給する継続扶助は、60歳以上400レ、70歳以上は最賃との案が、現行通り、65歳以上に最賃となった。
収入が2最賃以下の正規雇用者に払うボーナス(abono salarial)の受給者を月収1最賃以下の正規雇用者とする案は、1364・43レ(1・4最賃弱)以下の正規雇用者に変更される。
社会保障費の天引額計算の基礎に、食事その他の諸手当や交通費も含める案は、削除される。
これらの変更を加えると、2029年までの10年間の経済効果(支出削減額)は9134億レになるが、モレイラ下議は、労働者支援基金(FAT)の4割を社会保障費に組み込むなどして、政府経済班の試算額(1230億レ)に近い、1130億レの経済効果を見込んでいる。
特別委員会では18日以降、意見書に基づく討議を開始。委員会が承認した改革案はその後、下院本会議にかけられる。
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