ブラジルにおいて,「日本移民の日」を迎えるに当たり,日本人移住者,日系人の皆様に心からお祝い申し上げます。
今から111年前,日本から初めての移住者の方々がサンパウロのサントス港に到着されました。日本から遠く離れた地において困難の中で自らの道を切り拓かれた日本人移住者とその子孫の方々の艱難辛苦を思うとともに,その精神を受け継いだ世代の皆様がブラジル社会の発展に尽力されている姿に心から敬意を表します。
本年5月23日に,フランス・パリで,アラウージョ外相と会談し,日本とブラジルが普遍的価値を共有する戦略的グローバル・パートナーとして国際場裏で協力していくことを確認しました。両国の協力関係は,日系社会の皆様がブラジルで培ってきた信頼と敬意を礎としており,日系社会の皆様に深く感謝申し上げます。1月に誕生したボルソナーロ政権ともその関係強化に一層尽力してまいります。
昨年は,日本人移住110周年の記念式典がブラジル各地で執り行われました。眞子内親王殿下は,5州14都市を訪問され,皆様から熱烈な歓迎をお受けになられたと伺っております。御訪問の成功に御尽力いただいた現地日系社会,そしてブラジルの皆様の御協力に感謝すると同時に,「令和」という新時代においても引き続きの御協力をお願い申し上げます。
昨年5月には,世界最大の日系社会を擁するブラジルのサンパウロを初めて訪問する機会に恵まれました。そこで皆様が日本とブラジルの「架け橋」として尽力されているのを改めて認識し,また,若手の日系人の方々の御活躍を目の当たりにいたしました。外務省としては,若手日系人との関係強化を含めた日系社会との連携強化策を一層推進しているところです。
また,約20万人の在日ブラジル日系社会との関係強化にも取り組んでまいります。入管法の改正とともに在日ブラジル日系社会ができて30年が経とうとする中,日本で地域社会に貢献する在日ブラジル日系人の方々がますます御活躍されることを期待しております。
最後に,日本人移住者と日系人の皆様の御多幸と御繁栄を心から願って,私の祝辞といたします。