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【日本移民の日2019】移民の日に寄せて=ブラジル日本都道府県人会連合会 会長 山田 康夫

山田県連会長

山田県連会長

 笠戸丸移民に始まる日本移民の歴史も111周年を迎え、日本人の数は年を追うごとに減少しておりますが、私どもの子孫であります二世、三世、四世、五世、そして六世でも成人に達した人がいるのではないかと思います。
 毎年、6月18日の『ブラジル日本移民の日』にイビラプエラのブラジル日本移民開拓先没者慰霊碑で法要が行われており、ブラジル日本文化福祉協会では先亡者追悼法要が行われます。
 また、ブラジル各地の日系人集団地でも行われているのではと思います。この慰霊法要は、ブラジルの日本人、日系人にとって鎮魂の日であり、この日を忘れることは出来ません。
 思えばブラジル日本移民111年の歴史は、決して平坦な年月であったわけではありません。
 戦前、戦後を通じて、このブラジルの大地で波瀾に富んだ過去を持つ、私たちの歴史でありますが、いまや190万を超える日系人は、この国の各層に深く溶け込み、ブラジル国発展のために広く活躍するに至っております。
 また、ブラジルから四世のビザ発給が可能となり、これからさらに増えるのではないかと思います。出稼ぎといった形での行き来がもっと違った意味での交流となって欲しいと思います。
 たとえば今では働く人を募集しているのは大都会だけではありません。どこの都道府県でも人手不足であり、そこで新しい形での出稼ぎは祖父母、両親などの出身地など地元と繋がり、交流によるつながりが出来るようになれば良いと思います。
 これも笠戸丸移民を祖とする移民先輩諸氏の労苦の賜であると思います。このことを後世世代に残し伝えることが、私たちの義務であると思います。
 ここに移民開拓に尽くされた方々、開発途上で志むなしく亡くなられた方々、それより前にブラジルへの渡航途上に事故や病気で亡くなられた六百余名の方々、またブラジルの地に生まれて逝去された方々への慰霊と追悼の意を表したいと思います。