ジョアキン・レヴィ総裁辞任後の社会経済開発銀行(BNDES)後任総裁として、グスターヴォ・モンテザノ氏(38)が就任することになった。18日付現地紙が報じている。
世界的なエコノミストのレヴィ氏辞任で波紋を呼んだ総裁の後任には当初、パウロ・ゲデス経済相も強い信頼を置く、経済省傘下の「反国有・反投資局」のサリム・マタル氏が有力視されていた。だが、最終的に、同局ナンバー2だったモンテザノ氏が就くことになった。同氏の指名はゲデス経済相の意向だという。
モンテザノ氏は陸軍技術学校の卒業生で、ブラジル資本市場研究所(IMBEC)で修士号を取得。経済界で17年間、ビジネスに従事し、BTGパクツアル銀行の共同経営者でもあった。
同氏の父はIMBEC教授を30年以上つとめている経済学者のロベルト・モンテザノ氏で、ゲデス氏とは一緒に教鞭をとった仲だという。
モンテザノ氏は、経済学的な視点が近いゲデス氏が経済相に就任したことで、現政権には親近感を持っていた。さらに、ブラジリア生まれだが、ボルソナロ大統領の一家が住んでいるリオ市チジュッカ地区のコンドミニオにも住んでいたことがあり、ボルソナロ氏やその息子たちとは長きにわたる知り合いでもあるという。
今回、モンテザノ氏がBNDES総裁に選ばれた背景には、同氏とマタル氏を組ませることで、公社の民営化事業をより円滑にさせる目的があるようだ。
さらに、モンテザノ氏を介して、労働者党(PT)政権が行っていた、キューバやベネズエラといった左派政権の国々に対するBNDESからの融資と、その後の現状の調査を急がせたい気持ちもあるようだ。
ボルソナロ大統領は、選挙公約でもあった、左派政権諸国への巨額融資に関する深層部分の調査(大統領は「ブラック・ボックス」と表現)を期待通りのペースで進めなかったとし、レヴィ氏に対して強い不満を持っていた。
ただし、BNDESからの融資に関する情報公開は急速に進んでおり、同行職員の不正関与などを示す情報の収集は困難との見方も出ている。