応用経済調査院(Ipea)が18日、ブラジルでは第1四半期に勤労収入がゼロだった世帯が22・7%もあったと発表したと19日付現地紙が報じた。
勤労収入がゼロの世帯は、生活扶助(ボウサ・ファミリア)や年金、株の運用などで収入を得ている世帯だ。景気後退が始まった14年第1四半期は勤労収入がゼロの世帯は19%だったので、3・7%ポイント増えた事になる。
この増減幅は全所得層の中で最大だ。増減幅が最も小さかったのは、2・2%が2・1%に減少した高所得者層だ。
勤労収入ゼロの世帯の大半は、労働年齢に属する人に学歴や特別な技術がないために、不況下で失職、または職が見つからないという世帯だ。
Ipeaによると、第1四半期は失業状態が2年以上続いている人が330万人おり、失業者全体に占める割合が24・8%に増えた。15年第1四半期は17・4%だったから7・4%ポイント増、人数で見ると42・4%増えている。
Ipea調査員のマリア・アンドレイア・ラメイラス氏によると、ブラジル経済は景気後退から脱出したといっても、回復の速度は非常に緩慢で、労働市場にはその実感が感じられていない現状が、これらの数字に現れているという。
ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所のダニエル・ドゥッキ調査員は、求職を諦めた人も相当数おり、労働市場が回復したというのはまだまだ先との見解も明らかにしている。
Ipeaでは、社会保障制度改革案が承認されれば、少なくとも2020年からは雇用状況が改善すると見ている。
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