ボルソナロ大統領の意向に反したことから辞任に追い込まれた郵便局総裁のジュアレス・クーニャ氏の後任に、大統領府総務局長官のフロリアーノ・ペイショット氏が就任する。21日付現地紙、サイトが報じている。
クーニャ氏は19日に郵便局総裁の座を辞任する意向を表明した。ボルソナロ大統領は13日朝のジャーナリストとの朝食会で既に、同氏を解任する意向を明らかにしていた。クーニャ氏はボルソナロ政権の意向に反して、郵便局民営化に反対する立場をとっていた。ボルソナロ大統領はこの日、同氏解任の理由を、「労働組合員のような態度をとっているから」と説明していた。
クーニャ氏はネットを通じて、「連邦政府は郵便局の業務は時代遅れなものだと見ているが、商業価値は高い。時代の流れに即した電商取引などに対応させることは十分にできる」と発言しており、ボルソナロ大統領らが主張する民営化には、そのための視野らしきものが見えないと批判していた。
クーニャ氏は陸軍大将で、昨年11月にテメル前大統領からの指名を受けて郵便局総裁に就任。政権交代後も、総裁職に留任となっていた。
21日付の報道によると、クーニャ氏の後任には、大統領府総務室長官で陸軍中将のフロリアーノ・ペイショット氏が指名された。
ペイショット氏は、2月に解任されたグスタヴォ・ベビアノ氏に代わって総務室長官に就任したばかりで、新政権発足から半年にもならない時点で、2度目の総務室長官交代となる。
総務室長官の後任は、19日に発表された暫定令でも既に示唆されており、21日には正式に、ボルソナロ氏の三男エドゥアルド下議の元側近で、大統領府法務局ナンバー2の連邦直轄区軍警、ジョルジェ・アントニオ・デ・オリヴェイラ氏が就任することが発表された。
ペイショット氏の郵便局総裁就任は、ボルソナロ政権発足半年で4人目の連邦政府からの閣僚離任を意味する。また、軍関係者で見ても、郵便局総裁を辞任したクーニャ氏も含めると、4人目となる軍人要職者の異動(解雇、辞任、配置転換)となる。