ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》経済省が天然ガス事業で州に恩恵?=年50~60億レの資金約束

《ブラジル》経済省が天然ガス事業で州に恩恵?=年50~60億レの資金約束

 経済省は、天然ガスを供給する公社を民営化させると共に、市場を公開して競争原理を持ち込むための方策を採る州に対して、全体で年間50~60億レアルの資金転移を行うと約束していると、25日付現地紙が報じている。
 このアイデアは、ペトロブラスがガス事業を独占している現状を改革する方策として、国家エネルギー政策審議会(CNPE)も承認している。同様の方策は既に電力部門でも実施されている。
 各州が天然ガスの公社を民営化させれば、大口利用者は天然ガスの精製業者から直接ガスを購入することも、販売業者から購入することも可能となる。また、市場が開放されれば、競争原理が働き、価格の低下にもつながるという。
 この方策の実現には、ペトロブラスが、天然ガスの運送と配給の企業の持ち株を全て売却することが求められる。
 パウロ・ゲデス経済相は、この方策を実施することで、天然ガス価格が40%から50%下がることを期待している。また、工業部門の国内総生産(GDP)の最大10・5%上昇にも貢献できるという。
 現在、天然ガスによるエネルギーは、工業部門の生産コストの7%を占めているが、その依存度は、ガラス製造部門が25・6%、セラミックだと32・2%、セメントだと55・8%というように、分野毎に大きく異なり、価格低下による影響はかなり大きくなる。
 ゲデス経済相の提案は前政権のスタッフが連邦議会に提出した案を変更したものだ。以前は州とペトロブラスが難色を示し、議会では承認されなかった。だが、現在は、州財政が悪化し、州が態度を変えはじめた上、ペトロブラスも、海洋油田(特に岩塩層下の油田)の開発に注力する意向を示しはじめている。
 ゲデス経済相によると、天然ガスの市場開放計画は、州の参加が前提条件で、現時点ではサンパウロ州やミナス・ジェライス州、エスピリトサント州、リオ・グランデ・ド・スル州がこの案に乗り気だという。
 ただ、この計画に参加する州には、州財政強化計画(PFE)の目標遵守が求められるという。