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《ブラジル》社会保障制度改革=両院議長が賛成確保に自信=下院特別委採決は来週?

ロドリゴ・マイア下院議長(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)

ロドリゴ・マイア下院議長(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)

 ニュースサイト「Poder360」主催の夕食会が24日に開かれ、その席で、ダヴィ・アルコルンブレ上院議長、ロドリゴ・マイア下院議長(共に民主党・DEM)が初めて、社会保障制度改革成立に必要な賛成票を集めたと発言した。26日付現地紙が報じている。
 下院の有力議員たちは、社会保障制度改革を扱う下院特別委員会の採決(=本会議採決前の最後のプロセス)は7月1日だろうと語っている。
 社会保障制度改革は、州や市も含めるか否かが最後の争点になっている。マイア議長は、「1日、2日焦ってもたいした違いはないが、地方自治体も改革に含められるか否かは、今後10年の財政に大きな違いを生む」と語っている。
 下院特別委員会のマルセロ・ラモス委員長(自由党・PL)も、「地方自治体も改革に含めるために数時間、数日遅れても、それは物事が遅れたというより、大事な問題が解決したと見るべき」との見解を示している。
 社会保障制度改革案は憲法改正案にあたり、上下両院で議員定数の6割以上の賛成(下院308、上院49)が2回必要だ。
 アルコルンブレ上院議長は、「下院は308票まとまったし、上院は(規定の数より)ずっと多くの賛成票が集まっている」と語った。
 マイア下院議長も、賛成は314~320票、場合によっては380票にも達しうると見ている。同議長は、380の見込みを15%下回っても340だから、余裕をもって308を超えられるとしている。
 議会は7月18日から憲法に定められた休会期に入るが、マイア下院議長はその前には採決を済ませたいとしている。
 アルコルンブレ上院議長の計画は、休会期が解けた8月から60日以内に上院委員会での審議と本会議採決を行うというものだ。
 「社会保障制度改革は、政府の根回しの結果ではなく、『経済復活のために必要不可欠』との共通理解が議員たちの間に生まれることで成立する」とアルコルンブレ議長は強調。マイア議長も「社会保障制度改革は政争の文脈の外におかれるべきテーマ」と語った。
 マイア議長は、社会保障改革と共に、ボルソナロ政権が次なる目標としている税制改革が行われることで、政府が行える公共投資の規模は、現状の600~800億レ規模から、1500~2000億レ規模に拡大するだろうとも語った。
 両議長は、税制改革成立を早めるため、両院合同委員会を作ることも決めた。