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ボルソナロ丸、羅針盤なき旅の怖さ

 ボルソナロ政権発足から半年。経済回復など、変化を望む人達が期待を込めて選んだはずの大統領だが、期待が大きかった分、早くも失望感を味わっている人が多かろうと感じるこの頃だ▼当選直後から問題を感じていたが、個人レベルの発言なら目をつぶろうと思っていた環境や思想に関連する発言は、国政レベルでもそのまま。地球温暖化を否定し、法定アマゾンの開発を進めるかの発言や政策は、国連レベルの批判を浴び、閣僚同士の確執や過去にない程の人事異動(辞任、解雇、配置転換)が起きる事態も招いている▼農地開発のために、先住民保護区の指定権を農務省に与えようとして、5月末に連邦議会が否定した内容を復活させるために出した暫定令は、24日に最高裁が差し止め、上院議長も25日に、問題の項目を削除した。銃規制緩和に関わる大統領令は、上院に続き下院でも否決されそうなため、引っ込められたが、別な法案と大統領令で規制を緩和しようとしている▼だが、同じ内容の暫定令を続けて出せないなら、同じ年に大統領令と同様の内容の法案を議会に提出する事は憲法に抵触しないのかと首を傾げる事ばかり。「21年からのF1レースは99%リオ市で」との大統領発言も、F1側が何も決めてない段階で先走ったようだ▼政権が最優先すべきは銃規制緩和ではなく、社会保障制度や財政の改革、保健&教育問題でなくてはならないはず。なのに、大統領の関心事は銃規制緩和やF1レースのリオ招致かと、呆れ顔の多い事。経済は再失速するなど、羅針盤が不在あるいは壊れているとしか思えない現状に、ブラジルが難破、沈没せねば良いがと思うのはコラム子のみ? (み)