経済省が27日に発表した全就労・失業者台帳(Caged)のデータによると、5月は3万2140人分の正規雇用純増だったことが分かった。28日付現地各紙が報じている。
これは5月としては、7万2615人分の雇用増だった2016年5月以来の低調な結果だ。また、今年4月の130万655人分の純増からは大幅な減少となった。
日本訪問中のボルソナロ大統領は27日夜、大阪からのフェイスブック中継で、「雇用を創出するのは自分ではない。民間企業が牽引すべきだ」と語った。
経済省によると、八つに分けた産業部門中、5部門で正規雇用が増えた。雇用創出数が最も大きかったのは3万7373人増えた農牧畜業で、建築業の8459人増が続いた。最悪だったのは1万1305人減った商業で、鉱工業の6136人減が続いた。
コンサルタント会社パララシスの主席エコノミスト、ラファエル・レオン氏によると、コーヒー栽培やオレンジ栽培が好調だった南東部を中心とする農業部門の貢献がなければ、全体の正規雇用は純減だった可能性もあるという。
経済省労働局のブルーノ・ダウコウモ局長は、「雇用創出のペースが思わしくないことは、ブラジルの経済自体が思わしくないことの表れで、一向に飛躍出来ずにいる」と語った。
今年の1月から5月までの累積は、35万1063人分の純増だった。昨年同期は、38万1166人の純増だった。
ダウコウモ氏は、これだけのデータでは、「正規雇用が増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのかを明言することは出来ない」としている。
ラファエル・レオン氏は、今年の正規雇用者数は、トータルで38万人程度の純増かそれを下回る程度と予測している。昨年は52万9554人分の雇用が創出された。
投資コンサル会社のガイド・インベスチメントス社は、「社会保障制度改革が実現しなければ、労働市場活性化のために必要な投資が行われることはない」との書面を発表している。
短時間、または通常より少ない日数の雇用である「インテルミテンテ」は7559人分、1週間に最大30時間を上限とする、時間契約の「パルシアル」は1377人の純増だった。今年の累積は、両者を合わせて3万8189人分の雇用創出となっている。