6月4日には、同病院で「第4回サンタクルス病院日伯学術協力セミナー」の第2パートの講演会で、同病院と筑波大学の医師らが登壇した。筑波大学附属病院の平松祐司副病院長が日本での小児心臓手術技術と心臓インプラントについて説明。さらに同大学からは田中秀峰医師、丸島愛樹医師も自身の研究を発表した。同病院からは、脳神経外科医の西国幸四郎医師などが講演した。
5日にはジャパン・ハウスで今川医療福祉グループによる講演会が開催され、同グループの創業者である今川美明会長、同グループ傘下の社会福祉法人筑水会の今川武彦副理事長、藤原忠志企画開発部長の3人が登壇した。
同グループでは、茨城県つくば市で高齢者を対象とした事業を展開している。講演では、信頼、安心、快適という3つの原則に基づいた高齢者介護や医療サービス、看護などについて特別に講演し、同病院の節目の年を祝った。
今川美明会長「貢献し続けます」
今川医療福祉グループの今川美明会長(80、茨城県)は式典の中で「今日という日が迎えられたのは、石川理事長を始め多くの人たちによる困難克服の賜物。医療現場は毎日新しい病気や問題が起こり、その変化への対応が必要。次の世代に向かって大きく飛躍してほしい」と挨拶し、同病院のさらなる躍進を願った。
昼食時に改めて話を聞くと、200年の歴史がある薬屋の家系に生まれ、薬局店の経営者を務めていたという。その後は調剤薬局をチェーン展開している上場企業の代表取締役会長となり、日本全国に千店舗まで拡大した。
「一番良い時は、年間売上は4兆円だったんですよ」と笑う。現在は同社を辞任し、筑波市を中心に医療分野を支援しているという。筑波大学との関係が深く、そこから紹介されてサンタクルス病院を知った。
「今川グループとサンタクルス病院のお付き合いは4~5年前から。ブラジルに来たのは初めてです。よくぞ日系人の皆さんは、ブラジルに深く根付いたと感心しました。必ずお役に立ちたい。貢献し続けます」と力強く述べた。