6月29日から30日にかけて、サイト「ジ・インターセプト・ブラジル(以下IB)」絡みのセルジオ・モロ法相を相手にした漏洩報道が相次いだ。モロ法相は同サイトの記事修正を指摘し、「捏造報道だ」と主張した。だが、「漏洩内容は本物」と反論するメディアも複数現れ、翌6月30日に行われた「親モロ、親ラヴァ・ジャット(LJ)作戦」の全国的デモも予想を下回る盛り上がりとなった。6月29日~7月1日付現地紙が報じている。
IBは6月29日、連邦検察庁のLJ作戦班の多くが2018年10月下旬から11月1日にかけて、モロ氏がボルソナロ氏から法相就任要請を受け入れたことに関して「LJの政治的中立性が損なわれると懸念を示していた」とする漏洩記事を報じた。
だが、その際にIB側が「アンジェロ」なる検察員を、現在、JBSショックに関連する不正協力で逮捕され、収監中のアンジェロ・グラール・ヴィレーラ氏と判断した誤りを指摘され、アンジェロ・アウグスト・コスタ氏に修正した。また、いくつかの会話での時間を誤って「2019年」と表記もしていた。
IBのグレン・グリーンウォルド氏は「文章をいじったわけではない」とツイッターで反論したが、モロ氏はこの点を指摘し、「記事は捏造のでたらめだ」と主張した。
だが、同日夜、コレイオ・ブラジリエンセ紙が「少なくとも捜査官1人が記事の内容を認めている。検察庁もこれらの削除された会話を復元した結果、内容が一致した」と報道。6月30日にはエル・パイス・ブラジル紙が、同紙が18年10月28日に報じた記事の中で、当該捜査官のジェルーサ・ヴィエシリ氏が、今回漏れたものと同様の懸念を既に表明していたことも指摘した。
一方、フォーリャ紙は6月29、30日の両日にIBの協力で記事を報道。ひとつは「LJのデウタン・ダラグノル捜査官が18年大統領選決選投票の4日前に労働者党(PT)のジャッケス・ヴァギネル氏の捜査を急がせようとした」、二つ目は「LJ班が当初、ルーラ氏の裁判での証人だったOAS社のレオ・ピニェイロ氏の証言を信用しておらず、ルーラ氏に不利になるような証言になるまで待ち続けた」という内容だった。
6月30日には、全国でモロ氏とLJ作戦を支持するデモが行われた。だが、当初、「約180市の予定」とされたデモは、フォーリャ紙で70市、G1サイトでも88市で終わった。サンパウロ市のものではボルソナロ支持者がブラジル自由運動(MBL)と本題とは関係ないところで乱闘を起こすなど、足並みも乱れた。