ヴェージャ誌は5日発売号で、「ジ・インターセプト・ブラジル」の協力による情報漏洩で浮上した、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)担当判事時代のセルジオ・モロ法相の新たな疑惑を報じた。
それによると、同法相は、エドゥアルド・クーニャ元下院議長(民主運動・MDB)の報奨付供述(デラソン)に対し、中身を聞く前から反対の意向を示したという。さらに「ルーラ元大統領の親友」と呼ばれる牧畜企業家のジョゼ・カルロス・ブンライ氏の逮捕を自ら指示し、手順の指図などを行っていた疑惑が浮上した。
今回のヴェージャ誌は10ページにわたってモロ氏の疑惑を報じているが、最も注目されるのは、クーニャ被告に関するものだ。
これは2017年6月からのことで、連邦検察庁がクーニャ氏の弁護士の依頼でデラソンを行う方向で準備を進めていた。そのことにLJの捜査官たちがかなり乗り気であったことも同誌は報じている。
だが7月5日、モロ氏はLJ特捜班主任のデウタン・ダラグノル氏との会話で、「デラソンを締結しようとしている噂があるが本当か?」「知ってのとおり、私は反対だ」と語ったという。
法律では、検察の守秘事項とされるデラソンに関して、担当判事は意見できない。クーニャ氏の場合、デラソンを認めるか否かの決定権は最高裁のエジソン・ファキン判事にあった。
この会話はその後、捜査官の間で広まり、7月下旬には「内容が弱い」ということで破談になっている。
下院議長だったクーニャ氏は、ジウマ大統領の罷免に動いた中心的存在の政治家で、中道政党連合(セントロン)の元リーダーでもあり、政界屈指の顔の広さで知られている。
また、2015年11月にブンライ氏が逮捕された際、それがモロ判事の意向によるものであったことが、捜査官たちの会話で明かされた。さらに、逮捕後にモロ氏がダラグノル氏に、「明日の朝までに逮捕拘束延長要請を出せ」などと命令を下していた会話も紹介している。
この他にも、モロ氏がダラグノル氏に、LJに絡んだ企業家のズウィ・スコルニキ被告に関し、「証拠が一つ欠けているからいれるように」と指示したことや、ダラグノル氏が、以前に漏洩されたルイス・フクス判事に続いて、最高裁では2人目となる「ファキン判事の支持を得た」と興奮気味に語ったことなども合わせて報じられている。