亜国出身でサンパウロ市在住の映画監督ロベルト・フェルナンデスさんはこの10年間、ブラジル被爆者平和協会の活動に焦点を当てたドキュメンタリー映画を次々に自主制作してきた。その最新作、4作目の『野蛮な行為の証言』(30分、ポ語)が8日午後6時半からサンパウロ市ボンレチーロ区のオズワルド・アンドラーデサンパウロ州文化センター(Rua Tres Rios, 363, Bom Retiro)で開催される。国際交流基金が協賛。入場無料。
この最新作は、広島で被爆して孤児になった向井兄弟、マサダ・トシコさんが初めて息子に被爆体験を語る様子が描かれているという。
当日は、映画上映に加え、フェルナンデス監督に加え、被爆者協会の森田隆さん、渡辺淳子さん、盆小原国彦さんの4人による座談会も行われる。
同監督は06年からブラジル在住。10年前に被爆者の存在を知り、「大戦では米国が勝ったということしか知らなかった。原爆が引き起こした惨劇をまったく知らなかった。もっとこの現実を一般の人に知らせなくてはと思い、映画化を思いつた」とこの活動を続ける動機を語り、「ぜひ皆さん、見に来てほしい」と呼びかけた。
同監督の今までの被爆関連の作品は、広島の原爆をテーマにした『1945年8時15分』(2012年、78分)、同じく長崎を描いた『1945年11時2分』(14年、30分)、森田隆会長に焦点を当てたドキュメンタリー『オ・セニョール・モリタ』(16年、31分)を制作している。