ブラジルとイタリアの研究者が、ヨルダンの遺跡で2013~15年に行われた発掘作業で240万年前の生活の跡を発見したとの論文を発表したと8日付アジェンシア・ブラジルが報じた。
サンパウロ総合大学考古学民俗学博物館のストウフォ・アラウージョ氏によると、ヨルダン遺跡で見つかったのは化石ではなく、石材を薄片化したものだ。薄く加工した石材は240万年前のものとされ、アフリカ大陸以外で見つかった人類の存在を示し得る材料としては、米国のジョージア州で見つかった180万年前のものより古い。
アラウージョ氏によると、今回の発見は、アフリカ大陸以外の場所にあり、人類の存在を示す最も古い遺跡である可能性と共に、当時の生活の様子を示す貴重な資料だという。
2013年に採取されたサンプルを分析した結果、約500万年前のものとの鑑定と250年前のものとの鑑定が出ている。サンパウロ連邦大学のジアンカルロ・スカルジア氏は、「年代測定は二つの方法で行われ、240年前には人類がアフリカ大陸を離れていた事が判明した」という。
調査をコーディネートしたサンパウロ総合大学高等研究所のヴァルテル・ネヴェス氏によると、「人類がアフリカ大陸を離れたのは190万年前で、最初に離れたのはホモ・エレクトスとされていたが、240万年前にホモ・ハビリスが大陸を離れていた事を示す品が見つかった。これは従来の見解を覆す大発見だ」という。従来は、ハビリスからエレクトスの間の移行はジョージア州で起き、その後、世界に広がったとされていた。
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