ブラジルの経済防衛行政審議会(CADE)は8日、1998年から2013年にかけて、サンパウロ州、連邦直轄区、ミナス州、リオ・グランデ・ド・スル州で行われた地下鉄建設でカルテルを形成、工費の過剰請求を行ったとして、11法人と42人の個人に、総計5億3511万レアルの罰金を科した。9日付現地各紙が報じている。
CADEは、6年間に及ぶ捜査の末に処分を決定したが、捜査は引き続き行われる。罪に問われた各社は控訴の意向だ。
最も大きな罰金が科されたのはCAFブラジル社(1億6700万レアル)で、Alstom社(1億2860万レアル)、Bombardier社(8560万レアル)と続く。「3社はカルテルの中核だった」と、エスタード社は報じている。
Alstom社には、5年間に及ぶ、入札締め出し措置も科せられた。
罰金額はCADEが科したものの中では過去最大だが、報告官のジョアン・パウロ・デ・レゼンデ氏は、Alstom単独で5億3070万レアル、罰金総額9億911万レアルを求めていた。レゼンデ氏は、「カルテルや過剰請求で不当に得た利益を基に罰金を算出した」と主張したが、別のCADE委員のマウリシオ・マイア氏が「少し穏便な罰金額を」と主張し、他の委員もそれに倣った。
他にもMGE社(8千万レアル)、MPE社(3520万レアル)、Tejofran社(2300万レアル)などに罰金が科された。CADEと司法取引を行い、犯罪行為に関する情報を流したSiemens社は罪を免れた。また、Serveng社やRHA社、Caterpillar社などは証拠不十分とされた。また、Balfour社に関しては、単独疑惑の審理も始まった。
レゼンデ氏によると、嫌疑を受けた会社は車体や車輪の供給、資材や運行補助システムのメンテナンス、建設などに関する入札で、組織的に不正を行っていたという。関連訴訟はサンパウロ州での工事を中心に26件に及ぶ。カルテルは、連邦直轄区、ミナス州、南大河州の鉄道事業でも確認された。
Alstom社の弁護士セルジオ・ヴァレラ・ブルーナ氏は、「Siemens社は、自分だけ罪を逃れるために、存在しない悪事を告発し、他社になすりつけた」と主張している。