サンパウロ州海岸部プライア・グランデで8日、連警がイタリア人のニコラ・アシジ(61)、パトリック・アシジ(36)親子を、母国のマフィア、ヌドランゲタの南米調整役との容疑で逮捕したと9日付現地紙が報じた。
同親子は世界有数の麻薬密売者で、南米と欧州南部を結ぶ麻薬密売網の最大の調整役だ。前記組織は、世界中のコカインの4割を扱っているとされ、この親子がサントス港からの積み出しを直接コントロールしていたようだ。
親子の逮捕は、エジソン・ファキン最高裁判事が許可しており、母国への強制送還の指示も出ている。国際警察パラナ州支部のルシアノ・フローレス警部によると、アシジ親子は30年前に有罪判決を受け、ポルトガルで逮捕されたが逃亡し、各国を渡り歩いていた。ブラジルにたどり着いたのはかなり前と見られ、隠れ家からは偽の身分証明書なども押収された。
連警は、偽の書類と共に、77万レアルと2万4432米ドル、6165ユーロの現金、コカイン3・973キロ、火器3丁、銃弾、携帯電話14個、ノートブック3台も押収した。隠れ家の壁はこれらのものを隠せるよう、偽装工作がなされていたという。
セルジオ・モロ法相はツイッターで、アシジ親子逮捕を喜ぶメッセージを流している。
なお、ヌドランゲタはサンパウロ州を拠点とする麻薬組織、州都第一コマンドとも提携し、年間1トンものコカインを欧州に流していたと見られている。