サンパウロ州だけの祭日「護憲革命記念日」が明けた10日、サンパウロ市のブルーノ・コーヴァス市長が「私とアエシオ・ネーヴェス下議のどちらが党に残るかは、民主社会党(PSDB)が決める事」と発言した▼この発言は、同党サンパウロ市支部役員会が4日、「刑事裁判被告のアエシオ氏を追放すべき」と決め、10日のサンベルナルド市支部役員会にも呼びかけた上、州支部や党中央本部にも倫理審議会で取り上げるよう要請した件に関連している。アエシオ氏がJ&Fグループからの200万レの収賄と捜査妨害でサンパウロ州連邦地裁の被告となった事は、来年の市長選に影響すると見られている▼だが、ミナス州ベロ・オリゾンテ市支部はアエシオ氏を擁護し、「ブルーノ市長の追放」を訴え始めた。ベロ市やミナス州支部ではアエシオ氏休職を勧める声もあるが、ブルーノ市長は「この件は党中央本部に預けた」とし、「自分かアエシオ氏かの二者択一」との考えを示したのだ▼サンパウロ市長の発言に関する報道をラジオで聞いて思い出したのが、護憲革命の引き金となった出来事だ。同革命の伏線は、サンパウロ州出身のワシントン・ルイス大統領がミナス州が推す候補を退けて立てたジュリオ・プレステス氏の当選。南大河州知事だった敗北候補のジェツリオ・ヴァルガスを推す軍と諸州連合によるクーデターで誕生した政権に対し、サンパウロ州などの志願兵が蜂起したのが護憲革命だ。カフェ生産州のサンパウロ州と畜産・酪農州のミナス州が大統領を出しあう「カフェ・コン・レイテ」体制はこうして崩れた。サンパウロ州とミナス州の確執はこのように戦前からのもので、PSDB内では14年大統領選でも2州の候補が対立。今回もまた、選挙前に不穏な空気が広がり始めた。(み)