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リオ州パラチー=恒例の国際文学祭始まる=エウクリーデス顕彰で開幕=盛り沢山の企画で参加者魅惑

会場入り口(Roberto Parizotti/Fotos Publicas)

 リオ州パラチーで、10日から14日の日程で第17回国際文学祭が開催されている。
 10日午後7時からの開会式では、エウクリーデス・ダ・クーニャへの顕彰の時が持たれ、ヴァウニッセ・ノゲイラ・ガウヴァン氏が基調講演を行った。
 ヴァウニッセ氏はその講演の中で、「資本主義による近代化が完全な形で行われ、新しい段階に入るまでは、『奥地(Os Sertoes)』(エウクリーデスの主作)が描いているブラジル国民の姿は現実的な意味を失わない」と語った。
 『奥地』は、新聞記者としてのエウクリーデスが取材して書いた、19世紀末のバイア州奥地での「カヌードス戦争」を再構成し、住民や土地についての地理学・人類学的考察も加えた作品だ。
 ヴァウニッセ氏は、カヌードスの住民の姿を土地なし農民運動参加者らと比較し、農民運動参加者らは能動的(活動的)だが、カヌードスの住民は受動的とも分析。「カヌードスの住民達は奥地に戻って行ったが、農民運動の参加者達は権力者の領分にまで踏み込み、より政治的に立ち回っている」と語った。
 講演後は、オフィシーナ劇場の俳優らが、エウクリーデスの作品の一部を引用した形の劇を上演した。背景のスクリーンには、女性や黒人への暴力に関するデータや、警官によるスラム街(ファヴェーラ)侵入などの描写も映し出された。

歓談する参加者達(初日の夜、Roberto Parizotti/Fotos Publicas)

 11日は、アフリカ人作家2人が戦争の痛みや移民に関する討論を行った他、性や母性、欧州における黒人の生活、ブルマジーニョの事故などに関する討論会(ディベート)や講演も行われた。
 また、12日には、ポルトガル語博物館が、6カ国から招いた人々が参加し、口頭での詩を競う「フリップ・スラム」という、始めての企画を実施する。国内のアーティストによるスラムは11日も行われた。
 公開広場では、ポルトガル語を話す国々で使う典型的な表現などに関する展示と共に、ミニ競技会などのアトラクションが計画されている。
 貴賓室では、イビランガ博物館の建設や、博物館の周辺の近代化に関する歴史的な写真の展示を開催。13日には、博物館の建設と9月から始まる改修工事に関するディベートなども行われる。
 また、ポルトガル語を話す国々の絆を強めるためにヒップ・ホップを用いる事を提唱するアーティストやオーケストラの演奏なども含む音楽のショー、国際的なシェフによる料理の実演、ワークショップ、子供のための図書閲覧と遊びのコーナーなど、様々なプログラムが用意されている。