ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》バイア州=大雨により広域浸水発生=ダムが溢れて2市に被害=橋冠水で孤立化した地区も

《ブラジル》バイア州=大雨により広域浸水発生=ダムが溢れて2市に被害=橋冠水で孤立化した地区も

一面が水浸しとなったCJS市(Divulgação/Corpo de Bombeiros de Paulo Afonso)

 バイア州東部で強い雨が降り、セルジッペ州との境に近い、ペドロ・アレッシャンドレ市(PA市)クアチダムの水が溢れた上、ダムが決壊。同市とその隣のコロネル・ジョアン・サー市(CJS市)では浸水被害などが発生し、少なくとも350家族が避難を強いられたと11、12日付現地紙、サイトが報じた。
 クアチダムは、2000年にペイシ川流域に設けられた小規模ダムで、サルバドール市から約440キロの所にある。
 このダムが一部決壊と報じられたのは11日朝だが、その後、ダムは溢れただけと情報が訂正された。だが、同州政府は12日朝、決壊に伴う明確な爪跡が残るダムの様子を写真入りで報じた。
 PA市とCJS市は隣接しているが、より低い位置にあるCJS市の方がより大きな被害が出ている。PA市で被害が出た家屋はダムに近い3軒だけだったが、CJS市では、居住区の40%が冠水。少なくとも150軒が浸水被害に遭った。
 同地域の雨は1週間近く続いているが、10日からの雨は24時間で100ミリを超えるほど強く、200ヘクタールにも満たないダムは耐え切れなかったようだ。

ダム決壊を報じた12日付G1サイトの記事の一部

 防災局が11日早朝からインターネットや電話などで住民に避難を呼びかけた事もあり、両市とも死傷者は出ていない。地域によっては身分証明書などを持ち出すのが精一杯だったようだが、連絡が早かったため、ダムから離れた地区ではコンピューターなども持ち出せたという。
 CJS市に住むセウトン・アブレウ氏によれば、同氏が経営する学校はダムから離れていたため、急激に水が押し寄せる事はなく、書類やコンピューターを運び出せた。だが、学校周辺が浸水被害に遭ったのは初めてだという。
 ダムから溢れ出た水や泥のため、国道235号線は一時、両方向が通行不能となった。これにより、救援物資の輸送にも支障が出た。また、CJS市では、ペイシ川にかかる橋が冠水し、市街地と農村部の行き来がほぼ1日遮断された。川の水位は12日朝から下がり始めたが、12日も雨が続いているため、消防は少なくとも午前中、橋の通行を制限した。
 なお、雨による被害はセルジッペ州でも出ている。州都のアラカジュ市では、8日からの雨でポシン川の水位が上がり、最低でも120人が避難生活を強いられている。同市防災局によると、同市では10日朝の6時間で54ミリ、24時間では月間平均降水量の4倍にあたる160ミリが降ったという。
 また、同州では海岸部でも24時間で84・6ミリ、72時間では231ミリの雨が降った。海岸部の月間平均降水量は200ミリ程度だから、3日間で1カ月分を超える雨が降った事になる。