一昨年11月に施行された改正労働法に36項目の修正を加える暫定令(MP881号)について審議するために置かれた両院合同特別委員会が11日、同MPを肯定する意見書(ジェロニモ・ジョルジェン下議提出)を承認した。12日付伯字各紙が報じた。
4月30日に出されたMPは、「自由経済のMP」と呼ばれ、企業活動における煩雑な官僚的手続きを簡素化し、雇用関係における制約をなくす性質のものだ。
このMPにより、衛生上、環境上、治安上の危険性が低い経済活動には、行政機関からの許可や認可を得る義務がなくなる。これら〃低リスクの経済活動〃は、近隣住民の権利を脅かさず、環境破壊を起こさず、騒音なども出さない限り、いかなる曜日、いかなる時間帯でも行うことが出来るようになる。
このMPは、電子労働手帳などのデジタル文書も、実際に紙に印刷された文書と同等に扱われるとも定めた。
同MPはさらに、小規模企業やスタートアップは、健康被害、治安上、衛生上の危機を引き起こす危険がなく、違反物質なども使用しない限り、新商品や新規サービスを自由に市場に投入することが出来るとしている。
同MPにより、中小企業が株式公開を行う際の有価証券取引委員会(CVM)からの要求も少なくなる。株式公開への複雑な手続きを嫌って、あえて国外で株式公開をする必要が生じないように、との趣旨だ。
MP881号では、2008年設立で、ブラジル政府が出資する投資ファンド(FSB)の撤廃も決まった。同ファンドの資金270億レアルはそのまま国庫庁に入る。
また、輸送業に関しては、国家陸路輸送庁が定めた料金表に従わなかった場合の罰金の免除や、コスト軽減のための書類の一本化なども定められている。
政府はこのMPによって、今後10~15年のスパンで、370万人分の雇用増と、国内総生産(GDP)の7%アップを見込んでいる。
MP881号は今後、下院と上院での承認手続きに入る。MPは180日以内に両院で承認されなければ無効となる。