欧州連合に関する資料や統計を作成するユーロスタットによると、2017年にイタリアの市民権を取得したブラジル人は9936人で、2016年より71%増加したと12日付ブラジル国内紙が報じた。
この数は、ポルトガルの市民権を取得したブラジル人の6084人より多い。3番目はスペインの市民権取得者の1294人だ。イタリアの市民権取得者は2015年1400人、16年5800人と、毎年増えている。
ブラジル人は欧州連合(EU)諸国の市民権を得た人の数が8番目に多く、内46%がイタリアの市民権を得ている。
だが、サンパウロ市にあるイタリア総領事館によると、昨年末時点で承認待ちの市民権申請書は11万2千件に上るという。各申請書に記載されている名前は平均4人で、約45万人が市民権を求めて列を成している計算だ。サンパウロ市は人口の半分以上がイタリア人移民の子孫で、同国の市民権を求める人が他の地域より多い。
専門家によると、17年に市民権を取得した人は2005年頃に申請を行ったはずだという。ブラジル国内で申請すると取得までに時間がかかるため、最近は、直接イタリアに行き、現地で市民権取得のための手続きを行う人が増えているという。
ただ、直接イタリアに行って手続きをと考える人が増えたため、以前なら1年半程度だった市民権認可が、最近は2年程度かかるようになっているという。ビザや書類の不備のため、入国を拒否されるケースや、犯罪に手を染めて強制送還される例も増えているため、市民権を希望しているのに、現地には飛ぶのを恐れる人も出始めている。
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