【ペルー新報13日付より抜粋=都丸大輔日本語編集長】今月12日の朝、ペルーに滞在中の眞子さまが、リマ市の中心から約50キロ離れたカオヤ市ベンタニヤ区にある、エンマヌエル協会の日系老人ホーム及びエンマヌエル診療所を訪問された。同協会に到着された眞子さまを、日系人学校のヒデヨ・ノグチ校の生徒らが日ペルー両国の国旗を振りながら歓迎した。
カオヤ市ベンタニヤ区はリマ首都圏の中でも貧困層が多い地域。そのため同診療所は、地域住民にとって極めて重要な存在となっている。眞子さまが同診療所をご訪問する際にも、朝早くから大勢の患者が訪れていた。
診療所のホールでは、同協会の役員らが眞子さまを迎えた。ルイス・サコダ会長は、眞子さまのご訪問に感謝を述べ「エンマヌエル協会は1981年に日系人初のカトリック神父である加藤マヌエル神父が孤児院エンマヌエルホームを設立し始まった」と同診療所の歴史に言及。
さらに「その後、日系人の支援グループ、日本やスペイン、カナダにいる加藤神父の友人や団体からの寄付、ベンタニヤ区役所からの土地の寄付などを受け、敷地内に黙想の家、診療所、保育所、子どもたちの技術取得を目的とした畑、コンピュータ室、レストラン、パン製造工場などが建設された。孤児院エンマヌエルホームは120人を預かるまでになったが、その後事業はカヤオ司教区に譲られた」と同協会の成り立ちを説明した。
同診療所のルイス・ウエムラ所長は「この診療所は今から29年前、ペルーが政治的・経済的にも危機的な状況にあった1990年、孤児院エンマヌエルホームに入居する子どもたちの診察から始まった。その後、経済的に貧しい同地域の一般住民の診察も行うようになった」と説明。
また「最初は各1人の医師と歯科医、3人の事務員だったが、患者の増加に伴い診療所を拡大。現在では30の診療所に70人の医師、看護師、その他医療スタッフで、一日に400~500人の患者を受け入れるまでに。全ては創立者である加藤マヌエル神父、日系人の支援グループ、エンマヌエル協会の役員らの尽力がなくては実現できなかった」と語った。
ウエムラ所長は「診療所の拡張に際し、1992年から在ペルー日本大使館を通して日本政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力及びペルー・日本見返り資金(FGCPJ)による多大な援助をいただいた。深く感謝している」と強調した。その後、眞子さまは同診療所の各診療科を視察された。
続いて、眞子さまはエンマヌエル協会の老人ホームに移動され、入居する日系人高齢者の方々が日ペルー両国の国旗を振りながら迎えた。
眞子さまは一人ひとりの高齢者の話に注意深く耳を傾けられ、握手を交わされた。そして、日系人高齢者の方々とともに「故郷」を斉唱。最後に、高齢者代表としてクズマさんが眞子さまに感謝の言葉を伝えた。