リオ市警とリオ州検察局が16日、リオ市西部のムゼマ区などで不法建築を行い、資金を稼いでいたミリシア(犯罪者の民兵組織)のメンバー14人を逮捕した。
ムゼマ区では、4月12日に隣り合わせの5階建てのビル2軒が倒壊、24人が死亡する事故が起きたが、これらのビルもミリシアが売り出した不法建築家屋だった。
ムゼマ区で荒稼ぎしていたミリシアは、リオ・ダス・ペドラス区やアニル区、ガルデニア・アズル区でも同様の活動で勢力を伸ばしている。
16日に実行された作戦では17人に逮捕令状が出ており、午後5時までに14人が逮捕された。逮捕者の1人のフェルナンド・ヴィエイラ・デ・ブリット容疑者(46)は、ピアウイ州コカル・ドス・アウヴェス市で逮捕された。
主犯格の一人のブルーノ・プペ・カンセラ容疑者(38)は、ジャカレパグア区フレゲジアの自宅で捕まった。同容疑者は家屋の建築や販売により、4年間で2490万レアルを動かしていた。
同容疑者の妻のレチシア・シャンピアン・カンセラ容疑者も起訴されているが、逮捕状は出ていない。彼女は市役所に勤めており、不法建築家屋の登録などを手伝っていたと見られている。
16日に逮捕状が出たのは17人だが、裁判所は、BLXセルヴィッソ・デ・エンジェニャリア、マヌエル・コンテナス・アンダイメス・リオ・エイレリの2社の活動停止も命じている。
家宅捜索では、火器6丁と銃弾、現金と小切手で150万レアル、不動産の名義変更などを行った事を証明する書類などが押収された。
同州検察局が同地区のミリシアとして起訴したのは25人と2社で、罪状は、犯罪組織形成、土地・家屋への不法侵入・不法占拠、不法な区割、不法家屋の建設や販売・賃借・融資、水道や電気の不法設置、公務員への贈賄などとなっている。
今回摘発されたミリシアに関する捜査は、2014年に行われた不法な森林伐採や不法な土地占拠などの告発がきっかけで始まった。それ以来、大西洋岸森林での不法伐採面積は7千ヘクタールにも及んでいる。
ミリシア幹部らは、自分達が表に出て各種の責任を追求されるのを避ける傾向があり、資産売却なども行い、社会の深みに身を潜めようとしているという。市警や検察局は、実際の活動に関わっている人物と共に、表には出てこない「隠れた共同経営者」を見つけ、裏で資金を操っている人物などを特定しなければならない。
なお、4月に起きたビル倒壊事故に関しては、これらのアパートを建てた人物など3人に逮捕状が出ており、1人は今も逃亡中。あとの2人は5月18日と7月5日に逮捕されたが、この3人は殺人罪や殺人未遂などでも起訴されている。
リオ市役所は倒壊したビルのあった道路沿いの不法建築家屋を全て取り壊す予定だったが、6月末に裁判所が取り壊し作業の中止を命じた。市役所は、これらの家屋の安全性に疑問がある事を示す書類を提出したが、作業再開の目処は立っていないようだ。(16日付G1サイト、アジェンシア・ブラジルなどより)