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次の駐米ブラジル大使は誰に?=エドゥアルド指名の諸問題=大統領の中では「決定事項」

BNDES総裁就任式でゲデス経済相と話すボルソナロ大統領(左、Antonio Cruz/Agência Brasil)

 【既報関連】ボルソナロ大統領が11日に「三男のエドゥアルド下議を駐米ブラジル大使にと考えている」と漏らして以来、国内外から賛否両論が出ているが、大統領は16日も「自分の中では決定事項」と発言したと14~17日付ブラジル国内紙が報じている。
 ワシントン駐在のブラジル大使は4月から空席のままで、誰が指名されるかは、多くの人が関心を寄せるところだった。
 だが、エドゥアルド氏が大使任命資格の一つである35歳の誕生日を迎えた翌日行われた「エドゥアルドを大使に」との大統領発言には、批判の声の方が多いようだ。
 14日付現地紙が掲載したのは、アルサンパウロ州のジャナイナ・パスコ州議(社会自由党・PSL)や、ボルソナロ一家が師と仰ぐオラーヴォ・デ・カルヴァーリョ氏らの声だ。
 ジャナイナ氏は、「エドゥアルド氏は最多得票で下議に選ばれており、下議、並びにPSLサンパウロ州支部長としての職責を果たすべきだ」とし、現在は国内での責任を果たすよう要求している。
 オラーヴォ氏は、ボルソナロ氏がエドゥアルド氏に、ラ米の左派勢力を集めた組織に関する議会調査委員会(CPI)設置を求めていた事に言及し、「CPIの委員長として調査を進められなくなるから、大使職は引き受けるべきではない」と、ユーチューブでメッセージを流した。
 また、サンパウロ州のアルトゥール・ド・ヴァル州議(民主党・DEM)も、「ブラジルには優秀な外交官が沢山いる。大統領の息子をこのような高いポジションに指名するのは良くない」と批判している。
 元駐米大使らも、駐米大使の負う責任は非常に大きく、多分野での知識や統率力なども要求されるとして、キャリア不足への懸念を表明した。
 他方、カルラ・ザンベリ下議(PSL)は、ツイッターで、エドゥアルド氏指名の可能性を諸手を挙げて歓迎するメッセージを流している。
 16日付フォーリャ紙は、ボルソナロ大統領はエドゥアルド氏指名を決めているが、上院が拒否する可能性について熟考中と報道。大統領は同日の社会経済開発銀行(BNDES)の総裁就任式の中で、「自分の中では決定事項」と発言した。
 なお、17日付エスタード紙によれば、大使指名は、このような人物を大使にと考えているがどう思うかと当該国に訊いてから、その名前を明かすものだが、ボルソナロ大統領はこの国際的な手順を無視している。外務省は米国に送る書類を用意しているが、まだ送付されていない。
 大使に指名された人物は、上院外交問題委員会での試問の後、同委員会と上院本会議での承認を得なければならない。大統領は、上院が拒否した場合、エドゥアルド氏は下議としての職責を果たすのみとしている。